関ジャニ∞ 大倉忠義と高橋優のラジオ終了が惜しまれる理由 二人の会話がリスナーに与えた“希望”

年を重ねる難しさを笑えた場所

 かつて深夜ラジオとは、夜遅くまで勉強している学生を中心にした若者がリスナーの中心だった。パーソナリティはリスナーよりも少しだけ先を生きるアニキ的存在で、迷える若者の悩みを笑いに変えたり、自分の通ってきた道筋を示したりしてきた。

 だが、同番組では30代となった大倉と高橋が、存分にこじらせ男子っぷりを披露するのも笑いを誘った。通常時には平和主義で通している2人が、「でもここはイライラしてしまう」ということを率直に語り出す。「駅前で別れ際にキスをするカップルを見てイライラする」「結婚式で自ら泣きじゃくる友人代表スピーチに冷めてしまう」など、普段あえて口に出すことではないけれど、本当はちょっとだけ抱いていた違和感。

 その小さなささくれを見逃さない繊細さ。そして、「俺はそういうのはキライだ」と本音で語りかけてくれる愚直さ。彼らの言葉は、若者のころに想像していた“ちゃんとした大人“になりきれていないと感じるお年頃のリスナーにはズバズバと刺さる。ときには、社会全体に対する疑問を投げることもあり、「ああ、また世の中を斬っちゃった」と、照れくさそうにする大倉の姿も。“ちゃんとした大人“にはまだまだ遠く感じるが、“めんどくさい大人“にはすぐになれてしまうという歯がゆさ。

 「気をつけないとね」「どうしてこんなにこじれちゃったんだろうな」と、お互いに年を重ねる難しさを笑い飛ばす2人を眺めながら、“こうやって年齢を重ねていくのも悪くない“とも思わせてくれた。ちゃんとしなくても、こじらせてても、こうして笑える友だちがいたら、最高なんじゃないか、と。

 だから、ずっと彼らと一緒に時間を共有していきたいと願ってしまった。一生、ちゃんとした大人になんてなれないかもしれないけれど、いつかなるかもしれない。そんな長い長い青春時代を、2人と一緒に過ごしていけると思っていたリスナーが多かったのではないだろうか……。

 ああ、こうして振り返ると、やっぱり寂しい気持ちでいっぱいだ。まるで居心地の良かったダベり場所が急に取り壊されることになった気分だ。高橋は公式Twitterで「あと4回、もしよければ僕らと一緒にダベりましょう。目が笑ってないわ話せば拗れるわ面倒臭い人間ですが、歌やラジオを聴いてくれるあなたのことが大好きです。 #大倉くんと高橋くん」とつぶやいていた。

 いろいろ理由を並べてみたが、結局のところ、この番組が終わることがこれだけ惜しまれた理由は、みんな『大倉くんと高橋くん』が大好きだったからだ。そんな大好きな2人との時間を最後まで楽しみたい。願わくば、何かしらの形で、また2人とダベる場所が再建されることを願いながら。

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