レルエ、“異端のトリオ”が奏でる王道サウンド 変幻自在のスタイルで良質ポップス生み出すユニークさを分析

レルエ、“異端のトリオ”が奏でる王道サウンド 変幻自在のスタイルで良質ポップス生み出すユニークさを分析

 生楽器とエレクトロサウンドの融合により、3ピースの可能性を追求し続ける個性派バンド、レルエ。バンド自体は2013年8月に櫻井健太郎(Vo/Gt)、エンドウリョウ(Ba)、saya(Violin/Syn)で結成。男女混合に加え、楽器編成もユニーク極まりなく、それがレルエの音楽性とも密接に繋がっている。ドラムレスであることから、EDMや打ち込みをベースにしたアプローチを取り入れ、ロック、ポップス、ダンスミュージックと変幻自在の楽曲スタイルを掲げている。また、女性バイオリン奏者が在籍しているのもポイントで、ビジュアルとサウンドの両面において華を添える役割を果たし、ほかのバンドと明確な差別化を図っている。

 レルエはバイオリン奏者を含むバンドの影響源として、Yellowcard(2016年に解散)とBIGMAMAの2組を挙げている。前者はアメリカ発のポップパンクバンドで2000年代初めに頭角を現し、日本でも高い人気を得た。荒々しいパンクと流麗なバイオリンを融合させた楽曲は当時センセーショナルで、その手があったのか! と多くのリスナーの反応を得た。もちろん楽曲が良くなければ、飛び道具=バイオリンは活きない。彼らは抜群のメロディセンスとソングライティング能力を土台にバイオリンの魅力を存分にアピールした。そのYellowcardが作り上げたバンドフォーマットに触発されたのがBIGMAMAである。以前に金井政人(Vo/Gt)に取材した際、バンド編成にバイオリン奏者を迎えることの難しさを語ってくれた。ギターと同じ弦楽器が増えることで音同士がぶつかり合う。それを回避しながら、お互いの良さを引き出すためには試行錯誤の時期があったようだ。スパイスではなく、覚悟して挑まなければマイナスにも作用するのがバイオリンという楽器の難しさ。特にレルエの場合はギター、シンセ、バイオリンとウワモノ要素が多いため、楽曲作りにおいてはスキルとセンスが問われるのは言うまでもない。

 また、レルエは、UK発のClean Banditの音楽にもヒントを得たらしく、男2人女1の3人編成(もともとバイオリン奏者もいたが脱退)という部分も共通している。チェロ奏者を含むエレクトロサウンドで世界中のファンを魅了する技量に多大な刺激を受けたに違いない。ほかにもTWO DOOR CINEMA CLUB、Phoenix、FOSTER THE PEOPLEなど海外インディーロック/ポップバンドから影響を受ける一方、自分たちが聴いて育ったJ-POPのエッセンスも忘れていない。言わば洋楽と邦楽のルーツとトレンドを融合させているところが、レルエの美点になっている。つまり、海外勢とも互角に戦える洗練されたサウンドデザインを構築しながら、J-POP譲りのキャッチーなメロディセンスは絶対に外さない。その意味においては、これまでいそうでいなかったタイプのバンドと言えるかもしれない。

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