NEWS『WORLDISTA』で果たされた3年越しの伏線回収 4部作の第3章、グループ節目の作品に

 前回の『EPCOTIA』の振り返りで、この4部作はファンタジックな世界を旅しながら、NEWS自身のクロニクルにもなっているのではないかという仮説を立てた。子どものままでいられるネバーランド、宇宙空間と共に自分自身の無限の可能性を信じてやまない少年~青年期。それらを愛しく思えるのは、私たちが大人になったからにほかならない。

 リアルな恋愛はデジタルのようにお膳立てされていないし、生身の人間はいつか死を迎える。それがどんなに大切な存在であっても。「リボン」は、その避けようのない現実も歌い上げる。それでも私たちは生きていかなくてはならないから。

 最近では、亡くなった家族にVRで再会するというのもSFではなくなった。きっとこれから、ますますVRは発達していくに違いない。家にいながら、あらゆる場所に旅することも、宇宙旅行だって、タイムスリップさえも可能になるかもしれない。小さいころ、夢見ていたことが現実に、あるいは現実のように感じられる世界が広がりつつある。

 一方で、その進化から得られる幸せと、それゆえに辛いことも生まれていく現実もある。すべての物事は表裏一体であり、そのどちらを表として選んでいくかは、私たち次第。ときには間違えようのないことで、うっかり間違えてしまうこともある。あるべきものがない、と寂しく思う日もある。それでも、愛と感謝を忘れなかった、15年間。

 アルバムのクライマックスにかけては、NEWSのこれまでが走馬灯のように蘇る。ラストに聞こえてくる「生きろ」に胸が熱くなる。偶然か、必然か、私たちはお互いに生かし生かされて、ここにいる。この世界にログインした、その日から。

 『WORLDISTA』は4部作の第3章という顔を持ちながら、NEWSというグループの一つの節目の作品となった。KKMT0915(4人の頭文字+デビュー記念日)から、20120718(4人体制初のシングル『チャンカパーナ』の発売日)、そして15周年。一見、無機質なデジタル数字も、その背景にある物語(STORY)を知っている人からすれば、特別な意味を持つ。その数字は常に更新されていく、新しい『STORY』と共に。

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