King GnuとOfficial髭男dism、人気の理由はメンバーそれぞれの個性にも 『情熱大陸』&『A-Studio』出演から考察

 今、国民的なレベルで人気の若手バンドと言えば? と問われたら、きっとKing GnuとOfficial髭男dism(以下、ヒゲダン)の名前を挙げる人がほとんどだと思う。昨年は『紅白』出演をはじめ、お茶の間にもその存在感を強く示すことになった。ライブチケットは入手困難を極め、今年リリースされた新譜も各方面で大きな話題を集めている。

King Gnu『CEREMONY』(通常盤)

 なぜ彼らはここまで人気を勝ち取ったのか?

 このテーマについては昨年、様々なメディアで語られてきたように思う。が、こと「音楽好きの枠を超えて愛される存在になった理由」や「若者に限らず、様々な年代に支持されている理由」を考えていくうえで重要な指摘は、そのバンドやメンバーの明確なキャラクター性にあるのではないだろうか。人気バンドになる条件として、曲のファンになってもらうことと並行して、“そのアーティスト”自身のファンになることが挙げられる。で、昨年から今年にかけてヒゲダンもKing Gnuもその部分をしっかり打ち出してきているように思うのだ。

 今、パブリックな彼らのイメージを言葉にすれば、ヒゲダンは「真面目」「礼儀正しい」「きちんとしている」という印象。ヒット曲「Pretender」の印象や藤原聡(Vo)が過去に銀行員を務めていたもあり、一途だけどどこか草食といった、現代的な若者像を当てはめている人も多いように思う。一方、King Gnuも現代的な若者像として語られることが多いが、彼らの場合、「クール」「ちょっと荒々しい」「ある種の奇抜さ」というイメージを持つ人が多い印象だ。そこには、真面目なヒゲダンに対して、どこか尖っているKing Gnuという対比があるように思う。

 とはいえ、これはあくまでもバンド全体のイメージである。そして、当然ながら、それぞれのキャラクター性はこれだけの言葉で語れるようなものでもない。ヒゲダンもKing Gnuも4人のメンバーがいるバンドである。そのため、バンド全体はこういうイメージだとしても、メンバー一人ひとりの個性をみていくと、その中でも違いがあるわけだ。2月下旬、ヒゲダンは『A-Studio』に、King Gnuは『情熱大陸』(ともにTBS系)に出演したが、そこでスポットが当てられていたのも、バンドメンバーそれぞれの個の部分だった。

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