NAMBA69らがライブシーンの”現場”の熱さを証明 『JMS presents BODY and SOUL SPECIAL』レポ
この日のハイライトはなんといっても大トリを飾ったNAMBA69だろう。イベント開催直前の2月3日に、ドラムのSAMBUの脱退・新メンバーの加入が発表され、この日が現体制でのラストライブとなった。当初、ラストライブなどを行う予定はなかったそうだが、主催者のKTR氏がNAMBA69を大トリにするという粋な計らいで、実現したとのことだった。ステージにはNAMBA69のファンが寄せ書きした横断幕がオーディエンスから届けられ、しんみりとした空気が漂っていたが、そこはさすがのNAMBA69。「湿っぽくさせてゴメン!」と、いつも通りの音楽を届け、それに応えるようにオーディエンスも盛り上がりを増していく。「SUMMERTIME」では、難波章浩(Vo/Ba)がマイクの位置を変え、SAMBUの方に体を向けて歌ったり、ko-hey(Gt/Cho)が「そんなしみったれた感じでやってらんねーから、メロディックパンクなめんなよ!」と叫び、オーディエンスを奮い立たせるなど、ダイナミックな演奏が繰り広げられラストライブへの想いを感じるプレイを見せつける。途中のMCでSAMBUは、涙ぐみ声を詰まらせながら「今日は感謝の気持ちを伝える以外ないと思ってきました」と、オーディエンス、バンドメンバー、スタッフへの感謝の想いを述べた。
「TAKE ME HOME,COUNTRY ROADS」では、いつも難波が歌うイントロ部分をSAMBUが歌うスペシャルバージョンを披露。「MY WAY」では、出演した他のバンドメンバーもステージに集合し、フロアへダイブ。さらに、クラウドサーフしながらステージ上に集合したたくさんのオーディエンスが、SAMBUのドラムセットの周りを囲み、肩を組みながら歌ったりタオルを掲げたりして、最後の時をめいっぱい楽しんでいた(あの光景が美しすぎて涙を堪えながらペンを走らせました)。計15曲の最後にはSAMBUもフロアへダイブ。その後、最後の1音まで想いの丈をのせて力一杯叩ききり、出演バンドに胴上げされながらNAMBA69としての最後を飾った。熱の篭った素晴らしいラストステージ、これ以上のはなむけは無いだろう。NAMBA69の新たな旅の始まりはなんとも眩しいものだった。
2年ぶりの開催で、一人のバンドメンバーのラストステージにもなった『JMS presents BODY and SOUL SPECIAL』。まだまだ現場が熱いことを証明するような1日であった。飛んで踊ってヘヴィな音に飲まれて叫んで汗かいてという楽しみ方が、ニッチな存在になったとしても、こうしたバンドやイベントによって、その火は絶えず燃やし続けることができるだろう。バンドとオーディエンスのロックの衝動が創り上げた素晴らしいイベントであった。また会える日を楽しみに、ホイッサー!