メジャーデビューの切符は誰の手に? 新世代シンガーの座を争う『ONE in a Billion』参加者インタビュー

ワンビリ、合宿審査通過者インタビュー

きゃない「自分の中にくくりは作りたくない」

ーー4000人に迫る応募者の中から6名まで残れましたが、今の心境は?

きゃない:始めは自分が絶対に受かってやるという感じでしたが、ここまで来るとだいぶ心境も変わってきていて、今は他の参加者の方へのリスペクトが強いです。

ーーどうしてここまで勝ち抜けたと思いますか?

きゃない:スタッフの方からは「キャラが良いよね」とよく言われました。やっぱり、人間臭さみたいなものを強く持っている人はそれだけで印象に残りやすいですよね。純粋な歌の力とあわせて、そういう人間性は審査にも大きく響いている部分だと思います。

ーー参加者の方からもよくきゃないさんのお話をよく聞きます。小さい頃からムードメーカー的な役割を担ってきたタイプですか?

きゃない:一度決めたことは貫くし、負けず嫌いで、子どもの頃は周りから変わった子だと思われていたと思います。小中学校の頃はいじめられっ子だったんですけど、その当時も自分が周りに合わせられないことが悪いとは絶対に思っていなくて。むしろ、こういう自分をどうしたら周りの人に理解してもらえるんだろうって考えていった結果、上手くそれを相手に伝えられるようになったんだと思います。

ーーデュオ審査でタッグを組んだ野嵜豊さんは「すごく頼りになる」と言っていました。

きゃない:自分の行動には必ずそうすべき理由があると思って生きているので、大体のことは「自分は悪くない」と思っているんです。「自分の何が間違っているのかがわからない」と心の底から思っていることが、第三者からすると自信があるように見えるのかもしれないですね。それに誰かの下に付くのも嫌で、いわゆる普通の会社では働きたくない。だから1年以上、路上ライブのお金だけで生活してきました。そういう部分も頼り甲斐があると感じてもらえるのかも。

ーー音楽をはじめたきっかけは?

きゃない:小学生くらいの頃からずっと歌うのは好きで、中学からは学校を休んで週4でカラオケに通っていました。それから高校で軽音部に入って、そこで出会った友人とフェイクブルーを結成したんです。本格的に作詞作曲も始めたのも、その頃ですね。周りからパワフルな歌声と言われることがあるんですけど、肺活量や歌の力強さは中学時代のカラオケ通いで培われたものかもしれませんね。

ーーオリジナル曲で審査に臨んでいましたが、そこもポイントが高かったと思います。

きゃない:オリジナル曲には自信があって、それこそ他の参加者には負けないクオリティだと思っています。なのでオリジナルで勝負することに迷いはなかったんです。歌詞にもこだわりがあって。普通の歌詞を歌うのは嫌だけど、尖ったことを歌いたいわけではない。みんなが日常の中で妥協して見落としがちな部分をあえてほじくるような歌詞を考えています。

ーーオーディションを通して学んだ点はありますか?

きゃない:自分を今まで支えてきた歌い方や独特のクセみたいなものがあるんですけど、そこに頼っていたがゆえにおざなりにしてきた部分もあって。ビブラートひとつにしても、「それでは日本語が死んでしまう」と指摘されることもありました。どちらが正しいのかはきっと曲によって違うと思うんですけど、すべてが両立していないとプロとは言えないと思うので、発音や言葉のひとつひとつを大切に歌うことは意識するようになりました。

ーーご自身の課題はどうですか?

きゃない:きっと、本当の意味で自分の課題を見つけられている人は、それを突破するために突き進んで、勝手に売れていくと思います。でも、僕はまだ未熟だから、それこそこういう審査を通して自分の魅力を見極めてもらっている状況で。乗り越えるべき本当の課題も、このオーディションを通して見つけていけたらと思います。

ーーでは、オーディションを勝ち抜いた後、目指すべきアーティスト像はありますか?

きゃない:漠然としてますが、圧倒的な存在になりたいとは思います。今の時代、万人に受け入れられるのって難しいと思うんです。その中で国民的なアーティストになっていくのは難しいことだとは思うんですけど、そこに近づくためのボーカル力や作曲力はあると信じています。それに自分の中にくくりは作りたくないですね。みんなに受け入れられる人は、特定の色だけでなく、虹色のような人だと思うので。いろんな色を持っていて、混ざって濁ることもあれば、光ることもある。そういう歌を歌える存在になりたいです。

MASAZAYN「4年以内にエド・シーランとコラボする」

ーー音楽をはじめたのはいつ頃からですか?

MASAZAYN:本格的に弾き語りを始めたのは2019年の4月からです。ギター自体はその1年前くらいからですね。おじいちゃんになった時に孫と楽しめる趣味がほしいと思って。

ーー(笑)。歌手になりたいからギターを買ったではないんですね。

MASAZAYN:その当時は、すごい歌手になりたいとは思ってなかったですね。一度、中学生くらいの頃に歌声を褒められて、もしかしたら歌手になれるかもと思ったことはあります。でも、その時は“売れる歌手”になれるとは思わなかったんでやめたんです。けっこう保守的で、普通にサラリーマンになろう、と。

ーーでは、なぜ今は歌手を目指そうと?

MASAZAYN:ギターがある程度弾けるようになったことと、時代が変わったことが大きいです。YouTubeやInstagramとか、今は自分でメディアを動かせるようになったので。そういうものが昔はなかったけど、今の環境なら自分次第でできることはあると思って。でも、音楽を始めた当初は、ミュージシャンになって投資家に投資してもらって会社を作る計画で始めたんです。もちろん、今は音楽に対して情熱を持って向き合っていますが、最初の頃はいかに有名になるのかということばかりを考えていましたね。

ーー他の方々とは根本的に考え方が違うんですね。

MASAZAYN:でも、歌はもともと好きで。親の影響もあってスティービー・ワンダーやジョン・コルトレーンとか、洋楽でも神様的な扱いを受けるアーティストの曲を聞いて育ってきたんです。そういう音楽を小さい頃に聴いているうちに、僕もそういう人たちと同じように歌いたいと思い始めて。だから歌に関しては上手い下手という基準よりも、いかに自分が好きなアーティストに近づけるのか。比較相手が神様みたいな人たちだったから、自分がカッコイイと納得できるようになりたいと思って歌い続けてきました。

ーーまだ始めてから日も浅いのに、自分のカラーがちゃんと出ていますよね。飲み込みは早い方なんですか?

MASAZAYN:昔からある程度までは何でもできるタイプで。親から「やらなければいけないことは、どうあってもやらなければならない」という教育を受けてきて。勉強、スポーツ、家事……すべて苦手というほどのものはないんですけど、逆に極められるものにも出会えてこなかったんです。で、初めて出会えたのが音楽。それからは夢中で、きっとここにいる誰よりも音楽に触れていると思います。普段からずっとイヤホンで音楽を聴いているし、そうじゃない時は楽器を弾いたり、歌っていますし。

ーーオーディションを受けたきっかけは?

MASAZAYN:個人的な考えとしては、音楽に夢中になると友達を無くすと思っていて。音楽に拘束時間を取られてしまって、人付き合いが悪くなるというか。そういう自分の気持ちをわかってくれる仲間がほしかった、という理由が一番大きいですね。

ーーライバルであり、仲間でもある方々に出会えましたね。

MASAZAYN:本当にそこは嬉しいです。ただ、変な意味ではなくてライバルとは思っていなくて。きっと、ここまで残る人はそれぞれの土俵があって、そこで比べるものでもないのかなと。僕は僕の土俵でトップを取れるように頑張るし、他の人も同じだと思っています。もしオーディションに落ちたとしても、Zeppのステージに立てなかった、目標を達成できなかった悔しさはあると思うけど、「特定の誰かに負けた」という悔しさは湧いてこないと思います。

ーーあくまで自分との戦いということですね。子どものころからストイックなタイプなんですか?

MASAZAYN:小さい頃は普通のシャイな子どもでしたね。こういう人前に出るのも苦手でした。でも、ある時を境に何かで成功したいと思ったんです。成功する人はバズっている、バズるためには目立つことが大事、目立つなら恥ずかしがっている場合じゃないーーその次の日からシャイじゃなくなりました。

ーー一度決めたら切り替えも早いし、貫くんですね。直近の目標はZeppに立つことだと思いますが、先々ではどうですか?

MASAZAYN:4月に就活するか、ずっと好きなことだけをやっていくか真剣に悩んで、音楽で成功すると覚悟を決めてこの道を選んだので、結果がどうあっても音楽をやめることは絶対にないと思います。そう決めた時に立てた目標が、2年以内にメジャーデビューすること。そして、4年以内にエド・シーランとコラボすることなんです。今はその目標を達成するためにやるべきことをひたすらやっている状況で、それはこれからも変わらないと思います。

ーー現段階では高い目標にも思えますが、目指す過程でモチベーションは下がりませんか?

MASAZAYN:ギターを上手く弾けなかったり、思うように行かない時はモチベーションが下がります。けど、たとえやりたくなくなったとしても、やる。あまり理解されないんですけど、歌うこともギターを弾くことも歯を磨くことと一緒で、どんな気分でも毎日続けることだと思っていて。そういう人が、きっと成功していくんだと思っています。

■オーディション情報
『ONE in a Billion』
<概要>
世界で活躍をする次世代の才能を探し出すオーディションブランド『ONE in a Billion』2019年9月より始まる第1シーズンは“声”をテーマに、男性ヴォーカリストを募集。オーディションの様子は番組公式アンバサダーにスカイピース、番組公式MCにガーリィレコードチャンネルをむかえ、YouTubeチャンネルにて10月25日より配信開始。グランプリは2020年春、ソニーミュージックよりメジャーデビュー。

公式サイト
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