kolme×fox capture planが語る、“こだわり”と“ニーズ”を両立する難しさ「要望に合わせることが逆に音楽性を広げるチャンス」

kolme×fox capture planが語る、“こだわり”と“ニーズ”を両立する難しさ「要望に合わせることが逆に音楽性を広げるチャンス」

 kolmeのメンバーがアーティスト/クリエイターと楽曲制作やパフォーマンスについて語り合う対談連載。第5回目のゲストは、“現代版ジャズ・ロック”をコンセプトとしたジャズトリオ・fox capture plan。

 本対談は、fox capture planの大ファンだというkolmeの要望により実現。もともとMIMORIはジャズをベースにしたヒップホップを好んでいるということもあり、kolme楽曲にもジャズのエッセンスを加えた楽曲は少なくない。2011年に結成、自身の音源リリースのほか、ドラマ劇伴なども多く手掛けるfox capture planから見たkolmeの魅力とは。お互いの作詞作曲のプロセスをはじめ、グループの“こだわり”と世間の“ニーズ”のバランス感覚やライブパフォーマンスの魅せ方についてなどを語り合ってもらった。(編集部)

「疾走する閃光」で一気にファンになりました!(MIMORI)

kolme

ーーkolmeの3人はfox capture planの大ファンなんですよね。

MIMORI:はい。4年くらい前にピアノの勉強のために楽譜を買いに行ったとき、店内で流れていた曲がすごく気になって。「え、何この曲!?」と思ってすぐShazamしたらfox capture planさんの「疾走する閃光」だったんです。そこから一気にファンになって、他の楽曲もどんどん聴いていくようになったんですよね。

RUUNA:MIMORIが「素敵な音楽見つけた!」って盛り上がっていて、私とKOUMIにも聴かせてくれたんです。それで私たちもファンになりました。2017年に念願だったジャズフェスに出ることができたとき、トリがfox capture planさんだったんですよ。なので自分たちの出番が終わったら走って観に行って、「やっぱり素敵だよねぇ」って3人で話したのをよく覚えています(笑)。

岸本亮(Piano):あーうれしいですね。

井上司(Drums):定禅寺のフェス(『定禅寺ストリートジャズフェスティバル in 仙台』)ですよね? そこで僕らのライブを観てくれたという話は、この対談が決まったときに聞きました。

カワイヒデヒロ(Double Bass):全然話しかけてくれたら良かったのに。

KOUMI:いやいや、そんな恐れ多い(笑)。純粋にいちファンとして楽しませていただきました。

KOUMI

ーーkolmeはfoxの音楽のどんなところに惹かれたんですか?

MIMORI:最初に感じたのはピアノのメロディがすごくキレイだなっていうことでしたね。しかも、美しさがありつつもしっかりジャズのノリになっているのも好きなところで。私はジャズ系の曲が好きだし、自分でピアノも弾くので、foxさんの曲をいろいろ深堀りしながら、「こんな弾き方もあるんだ!」って勉強しつつ、よくマネして弾いたりもしています。

岸本:へぇ。メロディには歌に合うもの、管楽器に合うものみたいにいろいろなタイプがあると思うんですけど、foxをやり始めた頃からちょうど「疾走する閃光」くらいの時期は、ピアノでないと良さが映えないメロディを意識して作っていたところがあったんですよ。なのでそういう聴き方をしていただけているのはうれしいですね。

KOUMI:私たちは歌とダンスを含めたパフォーマンスで曲を表現しているんですけど、インストで人の心を惹きつけるfoxさんの音楽はほんとに素晴らしいなって思うんですよね。そんなバンドを私は他に見たことがなかったので。あと、ドラムがけっこう攻撃的でロックっぽい雰囲気があるのに、他の楽器との調和で美しくなるっていうのもすごく衝撃的でしたね。

カワイ:めちゃめちゃ褒めちぎりますね。あとでけなされるのかな(笑)。

井上:ドラムで言うと、僕だけ通ってきたジャンルが違ったんですよ。おっしゃっていただいたように僕はずっとロックをやってきていたので、このバンドに出会って初めてジャズ界隈と絡み始めたっていう。

KOUMI:ロックとジャズでは演奏の仕方に違いがありますか?

井上:一般的にはジャズの叩き方っていうものがもちろんあるとは思うんですけど、僕はけっこうそのまんまロックな感じで叩いてます(笑)。そもそもfoxを組むときに、ジャズドラマーを探していなかったらしくて。

カワイ:そうそう。周りに上手いジャズドラマーはいっぱいいたんですけど、なんかビビッと来なかったので。

岸本:foxとしてやりたい音楽をざっくり考えていたとき、つかっちゃん(井上)のドラムが一番合致したんですよ。ロックドラマーの中でもけっこう特殊な個性を持っていたりもするので、そこもまた相性的に良かったんでしょうね。

kolmeの曲は「インストに置き換えてもちゃんと成立する」(岸本)

岸本亮

ーーfoxはkolmeの音楽はどう感じましたか?

岸本:いやもう、普通にかっこいいですよね。

カワイ:いろんなジャンルを聴いてるんだろうなって思ったのが第一印象かな。曲ごとにいろんな顔が見えるなっていう。

井上:ジャンルの幅がすごい。ジャズはもちろん、EDMとかのクラブミュージック的な要素も入ってるし。

岸本:曲自体すごくいいし、ドラムやピアノのアレンジも凝っているし、3人の声も素晴らしいから、ずっと聴いていられる感じがありますよね。

MIMORI:ありがとうございます! イエーイ、めっちゃうれしい(笑)。

KOUMI:kolmeもピアノを軸にして楽曲を作っているところがあるんですよ。

岸本:ですよね。ポップスにしてはピアノの音数が多いなと思ったんで。アレンジ面でもそこが印象的でした。

MIMORI:メロディをピアノで弾きながら曲を作るので、けっこうインストゥルメントに近い感覚があるとは思うんですよね。けっこうそこは意識してます。

ーーkolmeの曲は歌が乗ることが前提ではあるけど、インストでも楽しめることを意識しているということですよね。

MIMORI:はい。どっちで聴いてもいいなって思われたい気持ちはありますね。

岸本:確かにそれは感じました。インストに置き換えてもちゃんと成立する曲だなと。

ーー逆にfoxはインストバンドではあるけど、歌が聴こえてくるようなメロディを作られている印象があります。そういう意味ではkolmeと似た感覚を持たれているのかなと。

カワイ:僕らの場合、歌がちょっとアレでお聴き苦しいと思うので歌えないんです(笑)。だからピアノのメロディがボーカリストの役割を果たすような曲を目指して作っているところはありますね。いくら演奏が良かったとしてもメロが良くなかったらダメだよねっていう気持ちが強い。

井上:キャッチー感みたいな部分だよね。

岸本:歌詞があって歌が乗る曲だとその人なりの個性や特徴をどんどん出していけると思うんですけど、インストだとそこがけっこう難しくって。だから他のバンドとの差別化をはかるために、歌もの以上に印象に残るメロを作ることが大事なのかなとは思ったりしますよね。

井上:いいメロじゃないと自分たちが覚えるのにも苦労しちゃうんで(笑)。

岸本:そうだね。いいメロだと勝手に手が動く感覚があるから。

MIMORI:そのfoxさんのキャッチーさはすごく勉強になります。ジャズにはちょっと難しい音楽という印象があるけど、こんなにもポップでキャッチーなものもあるんだなって。最初はすごくビックリしたんですよね。

岸本:まぁそのあたりは、今まで聴いてきたものの影響を自然と受けているところもあるんでしょうね。

カワイ:うん。10代の頃に90年代のJ-POPをたくさん聴いてきたので、そういう影響はきっと強いんだと思う。この人(岸本)は今でもリハーサル中に昔のJ-POPの曲をずっと聴いたりしてますしね(笑)。

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