ゴールデンボンバーの4人が明かす、“ビジネス仲良し”な関係性 「今は良い状況、良い距離感」
「ビジネス仲良し」と堂々と言えるようになったのはいいこと(歌広場)
――来年のツアーも決まり、2020年も活躍が期待されるゴールデンボンバーですが、今年ひとつ気になったことがあったんです。9月の『氣志團万博』の煽りVTR(出演前の紹介映像)で、ゴールデンボンバーは「ビジネス仲良し」と紹介されていたじゃないですか。
鬼龍院:ありましたね。
――かねてから鬼龍院さんも「ファンが思ってるほど仲良くはない」と公言されています。樽美酒さんが加入し現在の編成になって約10年、ほどほどの距離感でバンドを続けていくコツはあるのでしょうか?
鬼龍院:まず、一番ダメなのは「嘘くさい」ケースだと思うんです。実際そんなに仲良くないのに「いいですよ〜」と振る舞っていても、どこかにほころびが生まれる。近年の視聴者側は、どうしても「疑いたくなる」から、“仲良し”に徹する意味はないと思っていて。会ったら元気にやるけど、普段は別々で、“仲良し”を演じているわけではない。「ビジネス仲良し」、いいキャッチコピーをつけてくれましたね。
――わりとポジティブな意味ですよね。
鬼龍院:僕が思春期の頃によく感じていたのは、仲良くなったのに、しばらくすると、なんかちょっとぞんざいに扱われたりする。「友達の賞味期限」が切れたというか、そういう部分に敏感だったんです。だから、「これ以上一緒にいたらあまりよくない」と感じたら距離を早めにとることもあります。わかりやすい例を出すと、地方のホテルの部屋が2人1組だった時期に、僕の方から「1人ずつにしてくれ」と頼んだり。よっぽど売れないと事務所側からはそういう判断をしないけれど、あのままずっと一緒だったら、きっとダメになっていた。一緒にいすぎたら仲が悪くなることもある、それはお笑いの世界を通して感じていたことです。
――芸人さんもプライベートは別という人は多いと言いますもんね。NSC(吉本興業の芸人養成所)出身の鬼龍院さんだからこその視点かもしれません。喜矢武さんは鬼龍院さんとは一番付き合いが長いですが。
喜矢武:昔はメンバーともよくご飯も行ってましたけど、その回数が減るのは普通のことですよね。GLAYさんみたいにずっと仲がいいってのは素晴らしいですけど、それはごく一部の話。今のゴールデンボンバーは良い状況、良い距離感だと思います。一緒に高級レストランに行きたいかと言われたら、絶対イヤですけど!
鬼龍院:それはやだな〜(笑)。
――先日、樽美酒さんの誕生日を皆でお祝いする様子が、Instagramにアップされていましたね。
樽美酒:自分のために時間を割いてくれて、嬉しいですよ。ただそれだけのことです。そこで一喜一憂しなくても、それだけで十分です。
――歌広場さんは様々なインタビューにおいて、鬼龍院さんのことを崇拝していると公言しています。
歌広場:4人のときはあまり言わないですね。僕、一人取材の時はめちゃくちゃしゃべるので(笑)。
――単独インタビューでは、いつも饒舌ですもんね。
歌広場:さっきも、「リアルサウンドテック」の連載、一時間喋りっぱなしでした。
鬼龍院:僕はすぐ話の腰を折りにいくんですよ。メンバーを攻撃するのが好きなんです(笑)。
歌広場:さっきも鬼龍院さんが言ってましたが、皆が何もかもを「ホントかな〜?」っていう目で見ている世の中です。僕も最初は子供だったから、「皆仲良しが一番いい」って思っていた。でも今は別にそうでなくても結果がよければ、それでいいじゃんと思います。決して憎み合ってるわけではないし。「ビジネス仲良し」っていい言葉だし、つまり今は堂々と「ビジネス仲良しでーす」って、言えるようになったというのはいいことです。
鬼龍院:「言える」ってことは、嘘じゃないからね。
歌広場:そもそも、「エアーバンド」という呼び方もそうですからね。僕ら、自分から「エアーバンド」とは言ってないんですよね。僕らは楽器を持ってパフォーマンスしているけど、楽器を持たないのが、本来のエアー演奏じゃないですか。
鬼龍院:テレビに出始めた頃、「楽器を弾かないエアーバンドなんです!」ってナレーションが入ってて。
歌広場:たしかにわかりやすい呼び方で、すっかり浸透しました。そうやって周囲に助けてもらってるというか、色んな人が作ってくれたきっかけによって、僕らが「生かされている」というのは、常に感じてます。
(取材・文=藤谷千明/写真=池村隆司)
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