ゴールデンボンバー、“4年以上行ってない県”ツアーで見せたしぶとさ 各メンバーの脚本による演劇も

ゴールデンボンバー、横アリ公演レポ

 『ゴールデンボンバー全国ツアー2019「地方民について本気出して考えてみた~4年以上行ってない県ツアー~」』が、10月19日、20日に神奈川県・横浜アリーナにて開催された。本稿では、1日目の模様をレポートする。

 会場は立ち見が出るほどの満員御礼。開演前の会場に、注意事項を伝える樽美酒研二(ドラム)の声が響き渡ると、観客からは大きな拍手があがり、ライブへの期待は高まっていく。

 そして会場が暗転すると、喜矢武豊(ギター)の手によって作られたダンボール製ワゴン車に乗って、町中、田んぼのあぜ道、山の中(そして熊に遭遇し、それを食べる!)と、地方のファンのために全国津々浦々を旅するゴールデンボンバーたちの姿がスクリーンに投影される。ワゴン車の下から全員の足が出ている様はとてもキュートで笑いを誘う。ちなみに、BGMは「地方民について本気出して考えてみた」というポルノグラフィティの例の曲の替え歌である。

 映像が終わると、ワゴン車に乗ったままステージに登場するメンバー。「おまたせ神奈川県!」と嬉しそうな鬼龍院翔(ボーカル)。1曲目はワンマンライブ恒例の「ワンマン不安」。「待ってました!」と言わんばかりに、歓喜の声を上げながら振り付けに興じる観客たち。続いては「やんややんやNight ~踊ろよ神奈川~」で、ステージの鬼龍院と観客たちはAメロを交互にデュエットし、大いに盛り上がる。

 MCタイムでは、鬼龍院が「横浜アリーナ(神奈川県)は4年以上でなく3年ぶり」と前置きし「関東で(ライブを)やらないとクレームが殺到しそうだったので……。でも、横浜アリーナは私にとっては聖地ですから!」と会場への想いを語った。なお、鬼龍院が横浜アリーナを聖地とする理由は、彼の尊敬するGACKTのライブを、初めて観た会場だからなのはファンの間では有名な話だ。

 その後は、各々の自己紹介へ。鬼龍院は「美味しいシューマイ、鬼龍院〜♪」と、オリジナル自己紹介を披露(観客の反応が薄いことまでお約束)。そして「ご当地の名産物」が大好きだという喜矢武は、「今年はご飯に合う名産物を各地で食べ歩いてきた」と語る。続いて「横浜! ぶっ放していこうぜ!」と、コールアンドレスポンスを指南する歌広場淳(ベース)。小学生レベルの下ネタを挨拶代わりにする樽美酒は、「地方ではホタルを観てきた。皆さん、ホタル観たいですか? ホタルを呼び寄せましょう!」と観客に呼びかけた。なお、喜矢武と樽美酒の発言は、次の曲「抱きしめてシュヴァルツ」への前フリである。

 きらびやかなイントロが流れ、会場中に観客の掲げるペンライトが揺れ、曲間の“ソロ(喜矢武と樽美酒のネタ披露タイム)”では、山盛りのご飯を抱えた喜矢武が、中華街名物のパンダまん(チョコ味)をおかずに早食いに挑戦。むせながら食べ続ける喜矢武に対して「もっといいのあったでしょ? ご飯とあってない!」とツッコミを入れる鬼龍院。一方、蛍光色のパンツを履き、ホタルに扮した樽美酒は会場上空を飛行。会場中が爆笑に包まれた。

 今回のツアーのテーマは「地方」。「いろんな地方をまわってきたけど、地方はファッションが流行遅れだ」と言い出す喜矢武に対して、「個人の見解です」とたしなめる鬼龍院。

 メンバーがトロッコにのって会場を周回した「やさしくしてね」に続いて、「また君に番号を聞けなかった」の曲間では、先程のネタ振りを受けて、ファッションセンター風の建物から、平安時代風、弥生時代風、原始時代風のファッションで出てくる喜矢武。最後には股間を葉っぱ一枚だけで隠した状態で出てくる始末。気がつけば歌広場も樽美酒も葉っぱ一枚で「やったやった」と踊りだし、ツッコミが追いつかない鬼龍院。

 そんな混乱のまま、今年の上半期、大いに話題をさらった「令和」のイントロが流れ、ステージは暗転。再び明るくなると、鬼龍院も葉っぱ一枚の姿に。すかさず「アンタも脱ぐんかい!」とツッコむ歌広場。そしてダンボール製のショルダーキーボードを抱え、お立ち台の上でアピールする喜矢武。ライブ前半戦にして、もう情報量が多すぎて何が何だか分からない。そこで腰をふるな樽美酒。

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