草なぎ剛×ユースケ・サンタマリア『なぎスケ!』が届ける“大人の青春” 二人のゆるさが窮屈な世の中の救いに?
自分の期待値を少しだけ下げれば、相手を許せることがたくさんあるのだ。それこそ、ファンが歓喜した江頭2:50の登場も、理不尽な暴力と暴言の連続だ。共演者もファンも、それがビジネスセクハラ芸だということを知っている。だが、知らない人が見たら、「不快だ」と苦情がくる可能性も。世間一般が遠目で見たときに「ダメ」と言われるものでも、「この関係性だから許せる」ことだって世の中にはたくさんある。『なぎスケ!』を見ていると、そんなことを感じる。2人が好きで集まったスタッフ、ゲスト、視聴者だからこそ許される、ちょっとダメなところを笑う時間。それを「大人の青春」と呼ぶのかもしれない。
「ユースケさんもいろいろあったし、僕もいろいろあったし……でもまだまだ若者には負けられない。いつまで経っても青春してるようなところが僕もユースケさんもある。イケてるおじさんに見てもらいたい」とは、草なぎが番組スタートにあたって寄せたコメントだ。
“おじさん”とは、単純に年齢を重ねた男性という意味だけではなく、世の中の“しっかりしないと叩かれるのではないかと肩の狭い思いをしている人”の代名詞にも聞こえてくる。老若男女問わず、何かと息苦しい時代。「しっかりしない、頑張らない、でも目の前の人と楽しく過ごす」をやり続ける『なぎスケ!』を見れば、ちょっぴり救われる。そんな番組がスタートしてくれたことを、改めて嬉しく思う。
(文=佐藤結衣)