コロナナモレモモ(マキシマム ザ ホルモン2号店)、バンドのフランチャイズ化に感じた混乱と矛盾 本拠地栃木県での初ライブを見た

コロナナモレモモ、本拠地初ライブを観た

 2019年11月30日、JR&東武線栃木駅から徒歩12分の岩下の新生姜ミュージアムにて、コロナナモレモモ(マキシマム ザ ホルモン2号店)の、本拠地栃木県での初ライブが行われた。

 デビューシングル『恋のメガラバ / 包丁・ハサミ・カッター・ナイフ・ドス・キリ』(「包丁・ハサミ・カッター・ナイフ・ドス・キリ」正式名称は各単語に×表記)を買った栃木県民が、抽選で参加できる250名限定の無料招待ライブで、他県の人も特別枠が設けられ50名ほど参加。一応説明しておくと、2号店を結成するにあたり、本店の八王子のような本拠地が必要ということで、その本拠地では本店は以降5年間ライブを行わない、という宣言のもと、無作為に選出されたのが栃木である。

 開演予定時刻の19時30分を5分回ったあたりで、本店と同じSEが鳴り響いてセキはん(キャーキャーうるさい方と女声)、タクマ(歌と6弦)、わかざえもん(4弦)、オマキ(ドラムとニタニタ)、DANGER×DEER(第5のパート DJ / KSUKE)の5人が登場、本編5曲・アンコール2曲の計7曲を演奏した。

1 ぶっ生き返す!!
2 包丁・ハサミ・カッター・ナイフ・ドス・キリ(正式名称は各単語に×表記)
3 ロッキンポ殺し
4 シミ
5 「F」
アンコール
6 G’old〜en〜Guy [D×D remix] feat.Misaki (SpecialThanks)
7 恋のメガラバ

 オマキはドレッドヘアになっていて、タクマはヒゲを生やして亮君度がアップしている、という風貌の変化、若干あり。

 最初のMCで、「コッテリ生きてコッテリ死ぬ!」を「三度の飯より飯が好き!」、「マキシマム ザ ホルモン2号店です!」を「マキシマム ザ ホルモンです!」と、いちいち本店のそれと言い間違えるオマキに、セキはんが丁寧にツッコミを入れる、という掛け合いMCで(セキはん曰く「完全台本あり」「あまたのフェスで培ってきた」そうです)、フロアを大笑いさせる時間、あり。

セキはん

 会場である、岩下の新生姜ミュージアム1Fのイベントスペースは、上部が吹き抜けになっているのだが、その上部のステージ手前部分の左右に梁が走っており、お客が飛ぶとそれに激突しそうな構造。しかし、コロナナモレモモのファンたち、そんなのおかまいなしに飛ぶ飛ぶ。

わかざえもん

 そのエネルギーにあおられてか、あるいはもともとそういう人なのか(たぶん両方)、セキはんも大暴れ。2曲目「包丁~」を皮切りに、何度もフロアへ乱入、本編ラストの「F」のエンディングでは、オーディエンスの頭上で仰向けになって絶叫。アンコールの「恋のメガラバ」では、件の梁に飛びつき、手足でホールドしてぶら下がりながら歌ってみせた。これまで、「水戸ライトハウスの2Fバルコニーに懸垂で上った銀杏BOYZ 峯田和伸」と、「東京キネマ倶楽部の2F前柵外の超狭いスペースでバク宙した四星球 まさやん」が、僕が目撃した中での二大「バンドマン仰天アクション」だったのだが、それが「三大」になった瞬間でした。

 アンコールの1曲目は、まずDANGER×DEERがひとりで登場。「今日はゲストを呼んでるんで!」とSpecialThanksのMisakiを呼び込み、ふたりだけでデビューシングルに収録されたバージョンの「G’old~en~Guy [D×D remix]」を披露。Misaki、歌う前に「今日はここ新生姜ミュージアムをゴールデン街に変えませんか?」と煽りを入れる。

 この曲終わりで、Misakiと入れ替わりに他のメンバー4人がオンステージ、タクマの「2号店流恋のおまじない」からラストの「恋のメガラバ」に突入するはずが、タクマ、うまく言えずに中断。オマキに「おまえが照れんな! おまえが照れたらみんな照れるだろ!」と、ごもっともなツッコミを入れられる。で、やり直して、「麺カタ!コッテリー! ナイス!」からの「恋のメガラバ」で、40分強のライブは、無事大団円を迎えたのだった。

  結成から半年が経ち、夏フェス等を経験したこともあってか、演奏&歌のクオリティ、あきらかにアップしている。アクションや演奏中の表情も含めて、本店そのままになりきろうとしている部分もおもしろいし、DANGER×DEERの音に顕著に表れているような、本店とは大きく異なる点もおもしろい。

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