SEVENTEEN、ダークなイメージ体現した『ODE TO YOU』ツアー 成長した姿に感じる新たな魅力

SEVENTEEN『ODE TO YOU』ツアーレポ

 全国4都市で開催された『SEVENTEEN WORLD TOUR <ODE TO YOU> IN JAPAN』が11月9日で幕を閉じた。本稿は11月8日に行われた幕張メッセ国際展示場4〜6ホール公演2日目をレポートする。

 デビューから5年目となる今年。直近に音楽番組で披露していた「Fear」や「HIT」は、これまでのコンセプトとは異なる激しいイメージだ。デビュー当初とはまるで違う黒く統一された衣装やステージで活躍する昨今のSEVENTEENだが、彼らの成長した姿には、また新しい魅力を感じるファンも多くいるのではないだろうか。今回の公演はまさしくそのダークなイメージが多く体現された公演だった。

 オープニングでは天井から垂れ下がった白い布と赤いレーザーで包まれたステージで、ジョンハンが一人中央に佇むと、ファンの歓声が凄まじく響いた。そのまま1曲目となる「Getting Closer」へ。きっちりとした黒いジャケットに煌びやかな装飾が施された衣装を纏うメンバーは、まるで13人の王子のようだ。序盤から繰り広げられる激しい群舞で会場のボルテージを一気にあげた。

 本公演では大人数グループであることを生かした、上下二段に分かれたステージも。「CLAP」では、彼らの情熱的なパフォーマンスを一層惹き立てる火を用いた演出が、ファンの掛け声とも調和して会場が一体となった。

 MCでは、はじめに統括リーダーのエスクプスが「ディノがいてよかった」と前日の公演を体調不良で欠席していたディノを労わった。ディノ自身も自己紹介の際に、「最後まで楽しく遊ぼう!」と元気いっぱいな姿をファンに見せ、多くの歓声を浴びた。他のメンバーも自己紹介でコール&レスポンスを行ない、ファンと交流する場面もあり、序盤から大いに盛り上がった。先ほどまでのSEVENTEENのクールなパフォーマンスとのギャップに会場も和やかな雰囲気に。

 その後、「THANKS」では曲の初めにコーラスアレンジを用いて壮大な世界観を一気に作り上げ、「Don't Wanna Cry」では様々なフォーメーションで踊りながら、高い表現力を発揮した。感情を込めてパフォーマンスをするメンバーの姿は美しく、激しいダンスをしているという事実を忘れるほど、魅入ってしまった。13人のメンバーがいるSEVENTEENであるが、個人のパフォーマンスをより堪能できるチームごとのステージにも見どころが多い。トップバッターはヒップホップチーム。披露した2曲は雰囲気が異なる楽曲であり、クールな一面から弾ける笑顔まで飛び出すパフォーマンスで様々な魅力が引き出された。さらに、クラップをあおる場面もあり、ファンとの距離感が近いステージに。続いてパフォーマンスチームが登場。13人で行う群舞とは異なり、メンバーそれぞれのダンスをじっくり見ることができた。ピアノの旋律で始まった彼らのパフォーマンスは芸術的な要素も感じさせ、繊細さも持ち合わせた“舞い”は圧巻。最後はボーカルチームによるステージだ。普段は踊りながら歌うことの多いSEVENTEENだが、しっとりとしたバラードを歌い上げるその歌唱力に心を鷲掴みにされたような感覚になった。今回の公演で随一の感動を生んだステージの余韻に、会場は惜しみない拍手に包まれた。

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