SEVENTEEN、『An Ode』で自己最高記録更新 “ダークコンセプト”に挑戦し新たなフェーズへ

 SEVENTEENが、9月16日に3枚目のフルアルバム『An Ode』をリリースした。タイトルの『An Ode』とは「特定の人物や事柄に向けて筆者の主張の思考や感情を表現した詩」(Cambridge Dictionaryより)という意味である。現在開催中のワールドツアー『ODE TO YOU』は「君のための詩」という意味になるが、このライブツアータイトルの意味する“詩”がつまりこのアルバムを指しているということだろう。

SEVENTEEN『An Ode』

 今回のアルバムでやはり大きな特徴としては、SEVENTEENとしては初めての“ダークコンセプト”に挑戦していることだろう。韓国のアイドルでは一時期退廃的やミステリアスなど、ダークでネガティブなイメージのコンセプトが流行した時期があり、表現ジャンルの一種として定着している。デビュー初期には明るく清純なイメージを表現してきたアイドルが、キャリアと共にある種の“成熟”を表現したくなるとダークコンセプトを試みるというのは定番の流れと言えるだろう。実際、今回のアルバムに関してはビルボードのインタビューでも「自分達も年を重ねたのでそれに伴う成長や成熟を表現したかった」と述べている。

[M/V] SEVENTEEN(세븐틴) – 독 : Fear

 タイトル曲の「毒:Fear」はメンバーそれぞれの中にある“恐怖”を“毒”として表現した曲で、今までの楽曲の歌詞にはなかったネガティブなフィルターを通しているのがSEVENTEENとしては新しい。ダークなイメージといえば前作のEP『YOU MADE MY DAWN』収録「Getting Closer」も“ダークなSEVENTEEN”を表現しようとした楽曲ではあるが、こちらは過去のパフォーマンスのイメージよりも動物的で技巧的なパフォーマンスを先に想定して作られた楽曲であり、歌詞の内容もネガティブというよりは激情的とも言うべきものだった。

 一方の「毒:Fear」はより内面を表現する歌詞であり、それに伴いパフォーマンスにおいても「Getting Closer」や先行リリースされた「HIT」よりも技巧的な面では難しくないものの、より感情的な深みが求められる表現という点で新たなチャレンジになったようだ。デビュー時はグループとしての一体感で特に注目されたSEVENTEENであるが、パフォーマンスチームリーダー・ホシによれば「当初はメンバーの足りない部分が見えたら無意識に口を出しそうになっていたが、そうすると本人ならではのカラーが出にくくなってしまう。メンバー13人それぞれがより良い姿を見せるためにそれぞれが自分流に研究をしているので、どんどん新しい面を見せられるのだと思う」と語っている(『K-POPスターへのインタビュー』朴喜我)。初期の13人のメンバーが一体になるために努力するという段階から、現在はそれぞれがインディペンデントに思考して努力することで自然と多彩なカラーが出て1つにまとまっていくという、新たなフェーズに入っているようだ。



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