コブクロが伝えた、20年分の感謝と未来への決意 3時間超えの熱演見せた20周年ツアー

コブクロが伝えた、20年分の感謝と未来への決意 3時間超えの熱演見せた20周年ツアー

 コブクロ結成20周年を祝う『20th ANNIVERSARY TOUR 2019 “ATB”』が、5カ月に及ぶ長い旅を終え、8月24日の台北公演でフィナーレを迎えた。国内では3月20日の長野から7月21日の大阪まで、日本武道館や京セラドーム大阪を含む大会場を巡り、5年ぶりの海外公演で中国の上海と台湾を訪れた大規模なツアーは、最新ベストアルバム『ALL TIME BEST』を引っ提げて臨んだ、まさにベスト・オブ・ベストなもの。いつまでも思い出に刻まれるツアーの記録として、6月30日、さいたまスーパーアリーナ公演のステージを記録しておこう。

 開演時刻の午後4時、頭上のスクリーンに映し出される“サンドアート”の妙技にいきなり引き込まれる。サンドアートは砂を使い手で絵や文字を描いていくパフォーマンスで、のちにライブ中に明かされるのだが、会場内の別室でリアルタイムで制作されている。ギター、マイク、人、そして桜の木など、コブクロの歴史をビジュアライズする魔法の指先に驚嘆したあと、客席の間を抜けて黒田俊介と小渕健太郎が登場。さいたまスーパーアリーナの、回る円形ステージと4本の花道はコブクロ仕様としてすっかりお馴染みだ。中央に立つ二人が軽く拳を合わせ四方に礼をすると、小渕がおもむろにアコースティックギターを爪弾き、黒田が歌い出す。1曲目は「桜」。20周年記念ライブを、二人の始まりの曲から始めるという直球勝負がコブクロらしい。小渕のアコギはいつも以上にエモーショナルで、黒田の声は張りすぎじゃないか? と思うほどに情熱的だ。

 「桜」を含め、冒頭4曲は全てインディーズ時代からのレパートリーだ。「DOOR ~ The knock again ~」はミドルバラードながら非常にソウルフルな熱さのある曲で、小渕のアクションの激しさ、黒田の歌のパワーが尋常じゃないと思ったら、歌い終えた瞬間に黒田が放った「小渕さん! まだ2曲なのにアクセル踏みすぎ!」という言葉に全員大笑い。小渕も苦笑い。小渕が煽って黒田が倍返しする、きっとストリートでこの曲を歌っていた頃もこうだったのだろう。

 爽やかでポップな「LOVE」の柔らかいストロークを刻みながら、小渕が「このくらいでいいよね?」と笑っている。明るいアップテンポの「ボクノイバショ」からはパーカッションが加わり、「太陽」ではギターとベースも参加して、演奏が一気に厚みを増してきた。小渕が「行くぞさいたま!」と観客を煽る。満員の観客は七色のペンライトを振って応える。曲を締めくくる、小渕の超ロングトーンもばっちり決まった。ドラムとストリングスが加わった「YELL~エール〜」では、オールディーズポップ風のあたたかい曲調に合わせ、幽玄に明滅する吊り下げ型の照明が美しく揺れる。最初のセクションでは、20年の歴史の初期を彩る名曲たちをたっぷりと聴かせてくれた。長く楽しい夜になりそうだ。

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