欅坂46 二期生は、グループにどう受け入れられていったのか 着実に深まっていく一期生との関係性
さて、今夏あたりから欅坂46 二期生たちの”欅坂46”への受け入れられ方は目を見張るものがある。というのも、欅坂46の一期生と言えば極度の”人見知り集団”として知られ、けやき坂46との初顔合わせの際には一期生たちがトイレに籠りスタッフに怒られたというエピソードがあるほど。同記事に「二期生の2人が撮りましょ〜って言ってきてくれました」というのが象徴的で、自分たちからアクションするようなタイプではないのである。一期生は二期生とうまくやっていけるのかと不安視される声も当初は囁かれていた。
しかしここ最近、多くの媒体を通して伝わるグループの空気感は非常に良好のようだ。彼女たちの引っ込み思案な性格を考えれば少々意外な状況ではある。夏を経て、東京ドーム公演を成功させたという体験がそうした状況を生んでいるのかもしれない。特に田村保乃は今回のツアーを通して平手友梨奈と仲が深まり、その後も頻繁に連絡を取り合っているという。
一期生のことが好きなメンバーが集まっているのも大きいだろう。例えば、関有美子は加入前から渡辺梨加のファンであったことを公言しているし、武元唯衣は佐藤詩織、森田ひかるは小林……とそれぞれに”カップル”が成立している。なかなか周りに心を開かないことで知られている鈴本美愉にも藤吉夏鈴という相思相愛の二期生が存在する。(『欅って、書けない』「仲を深めよう!1期と2期フィーリングカップル回」参照)
一期生のファンたちがそうした関係性をもとに二期生に興味を持っていく流れも見られる。メンバーだけでなくファンを含めた欅坂46の”シーン全体”から彼女たちを歓迎しているムードが感じられるのだ。それは、彼女たち個人個人が魅力的だからなのはもちろんだが、それだけでなく、ライブの構成や一期生へと積極的に歩み寄っていく姿勢など、着実に築き上げた一期生との関係があったからこそなのではないだろうか。
今回、初めて選抜制度を採用した欅坂46。ともすればギスギスした雰囲気に陥ってしまいがちな状況だが、ツアーを通して心をひとつにしたことで、次回のシングル制作へ向けたポジティブな空気が感じられる今日この頃である。
■荻原 梓
88年生まれ。都内でCDを売りながら『クイック・ジャパン』などに記事を寄稿。
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