欅坂46と平成ノブシコブシ、なぜ視聴者を惹きつけた? “水と油”のような2組が生み出す化学反応
欅坂46とお笑いコンビ・平成ノブシコブシの”化学反応”に注目が集まっている。それは14日に放送された冠番組『欅って、書けない?』(テレビ東京)でのことだ。この日放送されたのは「ノブコブ吉村から共演NGを撤回してもらおう!前半」。控え室にこもるノブコブ・吉村崇を欅坂46のメンバーらがスタジオまで来させるという内容であった。
吉村は以前、同番組の『ガヤ養成講座』の回(2018年6月放送)にゲスト出演し、バラエティ番組におけるひな壇での作法をメンバーたちに伝授する企画を行っていた。その中で吉村は、テレビ収録に消極的な態度を見せる欅坂46のメンバーらに対し「ニュースの方が明るい時がある」と指摘。そんな彼女たちに、ひな壇での振る舞いやリアクションの極意を教えていた。しかしそれ以降、彼女たちとの共演経験はなく、先日放送された別の番組で「共演NGは欅坂46のメンバー全員」と発言したことが話題になっていた。リアルタイムで観ていた齋藤冬優花は「普通に落ち込んだ」という。そのため今回の放送は、それに端を発した”関係修復企画”となっていたのだ。
NGだからと取り合わない吉村を、メンバーらはあの手この手を駆使してスタジオへ来させようとする。なかには果敢に吉村へ挑戦しに行ったメンバーもいた。たとえば、小池美波は自身のアイドルイメージを活かし積極的に吉村へ向かっていった。土生瑞穂は得意の意味不明なキャラクターで迫っていく。しかし、吉村との溝は一向に埋まらない。やり取りを重ねていくうちに浮き彫りになるのが吉村の”破天荒”な芸風と、メンバーたちが見せる”消極的”な姿勢の二極化である。大声で叱ったり、自然な流れで美容室コントに移る乗りツッコミや、椅子にぶつかって倒れてみせるなど、大袈裟な演技で笑いを生み出す吉村。
対して欅坂46メンバーは”その逆”をいく。声が小さい、リアクションが薄い、立ち位置を直されるなどバラエティの基本からなってない(それが感情移入し易いリアルな部分で面白い)。象徴的なのが渡辺梨加と藤吉夏鈴の2人がトライしに行った時のことだ。相手から話を振られても喋れない、動けない、反応できない。これがもし控え目であることを装った演技であるとするならば見る側は冷めてしまうものだが、本当に”これしかできない”感じが滲み出ているため、吉村側も慌てて言葉を吐き出すようにヒートアップし、それが両者の温度差を際立たせる結果となる。放送はその後、なかば強引に吉村をスタジオまで連れ込み、後半の放送へと繋いだ。