欅坂46 二期生は、グループにどう受け入れられていったのか 着実に深まっていく一期生との関係性
夏の全国ツアー(『欅坂46 夏の全国アリーナツアー2019』)が大盛況のうちに幕を閉じ、グループ結成から5年目へと突入した欅坂46。結成から5年がアイドル運営におけるひとつの指標とされる話もあるように、ツアー千秋楽の東京ドーム公演はある種の成果発表の場だったと言えるだろう。ちょうどグループの第一章を終えた感のある現在、今後の動向に注目が集まっている。そんな中、とあるメンバーのブログに興味深い一文があった。
「今年のツアーは、少し2017年のツアーと状況が似ていたのかな?と思う部分がありました」(9月26日の小林由依公式ブログより)
2017年のツアーと言えば、まだライブ経験の少なかった欅坂46が満を持して敢行した初めての全国ツアーであり、1stアルバム『真っ白なものは汚したくなる』を引っ提げての注目のイベントであった(『欅坂46 全国ツアー2017真っ白なものは汚したくなる』)。ツアータイトルもアルバム同様の名を冠し、作品のリリースからライブまでがトータルで企画されたようなコンセプチュアルなツアーであった。
そして”今年のツアーと似ていた点”というのは、一期生にとって後輩にあたるメンバーたちがライブに参加していた点だろう。2017年はけやき坂46(現・日向坂46)が帯同し、今年は二期生が加わっていた。ちなみに2018年は二期生が加入前だったことや、けやき坂46はアルバムを出して”ひとり立ち”しだした頃だったことから一期生のみで行なわれている。そのため、この2つの年のツアーは一期生たちとその後輩メンバーたちがひとつのライブを作っていくという点で共通していたのだ。
しかし、どこか似ていた2種類のツアーであっても、そこから発せられるメッセージは異なるものであったと言ってよいだろう。例えば、2017年のツアーではけやき坂46がライブ中盤で登場し、数曲だけ披露して舞台から捌け、本編の終盤で再び登場する構成だった。たとえ名前の違う別々のグループだったとしても最後はみんなで一緒に踊ろうといったようなメッセージ性を持ったツアーだ。
一方で、2019年のツアーでは二期生メンバーが曲ごとに代わる代わる登場し、まるで一期生のポジションを補うかのようにステージに立つ流れを見せた。一期生の世界に二期生がいわば”入り込んでいく”ような形で最後は全員でステージに立つ構成である。どことなく欅坂46の作品を協力して一緒に作り上げていこうといった意志を感じるツアーであった。