松本孝弘はギタリストとしてどう磨かれた? BABYMETAL楽曲など盛んなソロ活動を機に考察
松川“RAN”敏也のソロアルバム『BURNING』(1985年)で圧倒的なシャウトを響かせる謎のボーカリスト“Mr.CRAZY TIGER”とは、当時ビーイング音楽振興会(現・Being Music School)の生徒であった稲葉浩志である。そんな稲葉とともにB’zとして1988年にデビュー。当初は「TM NETWORKのビジュアルと音楽に寄せたグループ」という、プロデューサー・長戸大幸の狙いがあったというが、次第にハードロック色が強くなっていったことは説明するまでもないだろう。松本のギターも、ヤマハからギブソンに持ち替えたように、テクニカルなプレイスタイルから、ダーティーなサウンドを前面に出したスタイルへと傾向していった。そんなB’zの傍らで、ソロ活動においてはジャンルに偏ることなく、ギターキッズ的な探求心を忘れてはいない。
元々は西洋で生まれたロックでありながら、どこか香る東洋的な世界観。和を感じる優しさと親しみやすさがある。ソングライティング、テクニック、サウンドメイキング……さまざまに奏でられる音楽はもちろん、ギターを愛する松本孝弘の日本人らしいアイデンティティに我々は惹かれていくのである。
■冬将軍
音楽専門学校での新人開発、音楽事務所で制作ディレクター、A&R、マネジメント、レーベル運営などを経る。ブログ/Twitter