Little Glee Monster、B'z、嵐……ラグビーワールドカップを盛り上げる応援ソングの魅力
Little Glee Monsterが9月13日放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に出演する。同番組では、9月25日発売の最新シングル曲「ECHO」が披露される予定だ。
「ECHO」は、今年9月に開催される『ラグビーワールドカップ2019日本大会』(NHK総合)のテーマソング。楽曲は重厚感あるストイックなオケにのせられたクラップやスクラッチ音が印象的な、力強いミディアムナンバーだ。メンバーそれぞれの個性が光るボーカルパートとチャントのようなコーラスのコントラストは、どこか神々しさすら感じさせる。
さらに注目したいのは歌詞だ。ラグビーの世界での合言葉として知られる〈One for all, All for one〉のフレーズが印象的に織り込まれた歌詞には、選手の目線を思わせる“闘う者”の強さと優しさが鮮やかに描き出されている。
メリハリの利いた楽曲展開も美しく、サビへ向けてのカタルシスは至高。〈You’re on fire〉と歌う彼女たちの歌声からは、強いだけではなく繊細で美しい戦士の矜持を感じ、ラグビー日本代表の戦う姿に重なる。
Little Glee Monsterだけでなく、ラグビーワールドカップを盛り上げるためにさまざまな楽曲が応援ソングとして起用されている。リポビタンDとのコラボレーションとしてラグビー日本代表応援ソングに選ばれているのは、B’zの「兵、走る」だ。メロウなギターのイントロから始まる同曲は、野太く男臭いチャントを経て軽快なギターのリフへと流れていく展開が唯一無二のインパクトを放つ。神聖性と躍動感を兼ね備えたそのサウンドに身をゆだねていると、まるで応援席から見るグラウンドの景色が目の前に浮かんでくるようだ。
稲葉浩志(Vo)が書き下ろした歌詞からも、選手を見守るサポーターの心情が手に取るように浮かび上がってくる。選手たちの限界に挑むその姿を〈兵〉と喩えた歌詞には、その背中に己の人生を重ねた眩いほどの羨望が満ちている。その響きはどこか人生賛歌のようにすら聴こえてくるのだ。歌詞中に登場する〈花吹雪〉がラグビー日本代表のユニフォームにあしらわれた桜のエンブレムを思わせるのも、なんとも粋である。
『ラグビーワールドカップ2019』(日本テレビ系)イメージソングに起用された嵐の最新曲「BRAVE」は、嵐らしい力強さを感じられるパワーに溢れた楽曲だ。ホーンセクションにエレキギター、さらには和楽器やヒップホップ的な要素まで取り入れた貪欲なオケは、大地を踏みしめるような力強いリズムによって絶妙な調和を見せている。突き抜けるような爽快感を感じられるサビでは、厳しいトレーニングを乗り超えた選手たちが広いグラウンドへ颯爽と現れる姿が想起させられる。
同曲で注目したいのは、櫻井翔がシングル曲として約3年ぶりに手がけたラップ詞だ。低く凛とした声で歌われる〈倒れた俺のことなら越えて行って〉〈闘いのあとなら全てを讃えて〉といったリリックからは、闘いのために捧げられる犠牲――敗退までをも栄誉と讃える、確固たるスポーツマンシップが感じられる。パワフルな5人のユニゾンが、勝者のみならず全ての闘う者を讃える王道の応援歌だ。