星野源と『おげんさんといっしょ』に同じく感じること 原点回帰に新たな試み交えた第3弾振り返る

星野源『おげんさんといっしょ』第3弾を見て

 また、今回は前述の原点回帰の思いのとおり、隆子の「近い前世の話」として藤井隆が好きな音楽の話をしたり、今回のゲストの松重豊が「スナック豊豊」のママとして、おげんさんと「これいいよねえ」とただただ音楽談義を交わす時間がたっぷりと設けられた。

 ちなみに松重はおげんさんの乳母という設定。「私のおっぱい吸って育ったからこんなヘンタイになった」と笑う。自分で選んだというド派手な衣装とカツラに剽軽なキャラクターは彼のイメージを覆すもの。ラジオリスナーにとってはお馴染みだが、そうでない人にとっては、松重豊がこれほど音楽に詳しいことも驚きだったのではないだろうか。

 Tom MischやLouis Cole、Jamila Woods、Steve Lacyといった音楽番組でも地上波ではなかなか紹介されない「ヘンタイ」的アーティストの楽曲をまったりと紹介していった。「ヘンタイっていうのは最高って意味」だと。

 さらにスナック豊豊のボーイとしてPUNPEEが登場。彼が「夜を使いはたして」を披露すると「世界で一番かっこいい音を今、出している自信がある」と星野源は胸を張った。

 ここで番組中でまたもTwitterの世界トレンド1位を獲得したことも発表された。

 番組では松重の話を受け、星野源の好きな音楽として1987年から放送されていた道徳番組『さわやか3組』(NHK教育テレビ)の主題歌が紹介された。のちに『おげんさんといっしょ』メンバーの三浦大知も歌った名曲だ。

 この曲を星野は「とにかくベースがドープ。ビートもこんなにタイトだったのっていう。裏でなってるシンセが不穏。全然“さわやか”じゃない。こんなに攻めたかっこいい曲を子供に向けた番組でやってた」と絶賛。「小っちゃいときに、こういうイケてる音楽をイケてると知らないまま摂取してたんだな」と。

 思えば、これはそのまま僕らが感じる星野源と『おげんさんといっしょ』そのものではないだろうか。

 一見、さわやかで好青年だけど、その中身にはなんだか不穏なものがうごめくドープな星野源。そんな星野源を媒介に音楽に詳しくない人でもそれを勉強しようとか意識せずに自然とイケてる音楽を摂取できる番組が『おげんさんといっしょ』だ。

 それは星野源という“ヘンタイ”の「リビドー」に従って、ダラダラした空間を作り上げたからこそ味わえたものなのだ。

(文=戸部田 誠)

星野源『Same Thing』

■リリース情報
『Same Thing』
配信日:10月14日(月祝)
収録曲:
1.Same Thing (feat. Superorganism)
2.さらしもの (feat. PUNPEE)
3.Ain’t Nobody Know
4.私

配信はこちら

■ツアー情報
『Gen Hoshino POP VIRUS World Tour』
11月23日(土)上海 National Exhibition & Convention Center Hong Arena
11月25日(月)ニューヨークSony Hall:スペシャルゲスト:マーク・ロンソン
12月9日(月)/10日 横浜 Yokohama Arena(『LIVE in JAPAN 2019 Gen Hoshino × MARK RONSON』)
12月14日(土)台北 Legacy MAX』

星野源 オフィシャルサイト

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