欅坂46 2期生、『けやかけ』での活躍に注目集まる 田村保乃、武元唯衣らの巧みなバラエティ力

吉と出た構成の変化

 番組の構成も見逃せない。それを象徴するのが森田のブログタイトルの”あるあるネタ”を紹介するコーナーだ。これは以前、同番組で小林由依のブログの冒頭文を紹介した回を容易に彷彿とさせるものだが(森田は小林を慕っている)、当時と同じくただブログを紹介するのでなく、今回はそれをプレゼンした他のメンバーが被せるようにしてネタへ持っていくという構成に変わっている。つまり、ブログそのものではなく、それを受けてのスタジオでのやり取りまでがセットになっているのだ。

 実際の放送では、松田里奈と武元の2人がプレゼン役として中央に立ち、森田の考えた”あるあるネタ”に対して過剰に同意しながら最終的に「あるある〜♪」とカメラを向いて終えるまでの一連の流れが繰り返された。微妙に息が合わないところも愛嬌があって可愛らしい。逆に、”ないないネタ”を振って2人のアドリブ力を試したMCの機転も光っていた。

 ”ないないネタ”を振ったMCの土田晃之は、過去に『さしこのくせに~この番組はAKBとは全く関係ありません~』(TBS系・2011年放送)でまだ駆け出しだった指原莉乃のバラエティ能力を引き出したと言われる名伯楽。何に対してもネガティブだった当時の彼女を、むしろそのネガティブさを巧みに利用して輝かせていた。アイドルとの共演経験も豊富でどうすればゲストや出演者が光るのかを熟知している。

 こうしたMCのサポートや番組構成の変化も吉と出て、今回は全体的にメンバーのバラエティ能力がアピールされた回だったと言えるだろう。

 歌って踊ることが本業だが、それ以外の活動でも結果を求められる彼女たち。バラエティ能力は彼女たちにとって必ずしも必要なスキルではないのかもしれない。しかしバラエティ能力とは、言い換えればその場の状況に対応する力である。番組で養った力は、必ず本業の方にも良い影響を及ぼすだろう。

■荻原 梓
88年生まれ。都内でCDを売りながら『クイック・ジャパン』などに記事を寄稿。
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Twitter(@az_ogi)

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