木梨憲武と石橋貴明、それぞれ新たな音楽活動スタート とんねるずが積み上げた“笑い”と“歌心”の道
東京ドーム公演、紅白出場、チャート1位の3つを達成
さらに2008年には、『とんねるずのみなさんのおかげでした』内の企画で、当時「アゲ♂アゲ♂EVERY☆騎士」などで話題を集めていたDJ OZMAと3人で“矢島美容室”を結成。The Supremesをオマージュした出で立ちで、本格的なソウルミュージックに挑戦した。シングル『ニホンノミカタ -ネバダカラキマシタ-』やアルバム『おかゆいところはございませんか?』などがヒットした他、味の素スタジアムで開催された『a-nation'09』や国立代々木競技場第一体育館で開催された『東京ガールズコレクション'09』などに出演。そして中島信也が監督を務めた映画『矢島美容室 THE MOVIE ~夢をつかまネバダ~』も制作された。
とんねるずの魅力の一つは、その自由さとノリの良さだろう。いったんノッてしまえば悪ふざけであっても徹底的で、それが行きすぎて『オールナイトフジ』で「一気!」を歌唱中に、石橋がテレビカメラを倒したことは伝説になっている。音楽制作も徹底的に行われ、ブレインはとんねるずの番組に構成作家として関わっていた秋元康を始め、見岳章や後藤次利といったヒットメーカー揃いだ。そのノリを武器に、お笑いコンビであるにも関わらず、アーティストなら誰もが目標に掲げるだろう、東京ドーム公演、紅白出場、チャート1位という3つを達成してしまったのは驚きだ。お笑いタレントの音楽活動で、ここまで成功したコンビは他にいない。
そんなとんねるずの、久しぶりの本格的音楽活動となる木梨ソロとB Pressureは、果たしてどんな活躍を見せるのか。その持ち前のノリで、“とんねるずここにあり!”といった存在感のあるものを、きっと見せつけてくれるだろう。
■榑林史章
「THE BEST☆HIT」の編集を経て音楽ライターに。オールジャンルに対応し、これまでにインタビューした本数は、延べ4,000本以上。日本工学院専門学校ミュージックカレッジで講師も務めている。