Jay Park、Simon Dominic、Crush……夏の終わりを盛り上げた韓国ヒップホップ6選
韓国のヒップホップシーンは今年の夏も大盛り上がり。毎年恒例のラップサバイバル番組『SHOW ME THE MONEY』(Mnet)の放送に加え、新旧様々なアーティストたちが活発な活動を繰り広げた。古株Simon Dominicのカムバックはシーンにインパクトを与え、Jay ParkやCrushなどのスタープレイヤーから注目の新星まで次々に新作を投下。今回のキュレーション記事では、8月から9月にかけて話題になった曲の中から特に要注目の6曲をセレクトしてみた。
Simon Dominic 「DAx4」
2010年を前後してスターの名を欲しいままにしたラップデュオ・Supreme Team。元相方のE SENSが神格化されていく一方、Simon Dominicは長らくスランプに陥っていた。デュオ解散後の2014年、Jay Parkが設立したレーベル<AOMG>に共同CEOとして加入するも、Jay Parkの華麗な活躍ぶりと比較されては叩かれるばかり。昨年とうとうCEOの座から降り、7年ぶりにリリースしたアルバム『DARKROOM』は鬱屈とした作品に仕上がった。そんな彼がこの夏、真の意味でカムバックを遂げたのだ。ラップはもちろん、サウンドも彼らしいパワフルなスタイルを追求。7曲入りのニューEP『火気厳禁 (No Open Flames)』からはなんと5曲ものMVが公開され、久々に活発な姿を見せた。ここではその中から「DAx4」をピックアップ。力強くアグレッシブな彼の持ち味が最大限に発揮され、多くのファンから「ついにSimon Dominicが帰ってきた!」と歓迎された。
Jay Park, KIRIN「오늘밤엔 (今夜は) (Feat. Ugly Duck)」
その華麗な活躍ぶりで、Simon Dominicをはじめとする多くのアーティストたちの存在感を曇らせてしまうJay Park。そんな彼が80~90年代のニュージャックスウィングを得意とするKIRINとタッグを組んだ。この2人は2016年にも「City Breeze」というシングルで共演したことがあり、その時も80~90年代を見事に再現した強烈なKIRINワールドにJay Parkが引き込まれたことが話題になった。今回のコラボでは4曲入りのEP『Baddest Nice Guys』をリリース。リード曲の「오늘밤엔(今夜は)」は、バッキングボーカルやサックスの演奏などから感じる80~90年代のバイブスが最高だ。歌詞にも当時を彷彿とさせるシンガーや楽曲からの引用が多く登場し、その時代に対する愛情たっぷりのオマージュとなっている。
Swervy「ART GANG MONEY (Feat. Reddy)」
17歳にして大卒の資格を持ち、韓国語/英語/中国語/ロシア語の4カ国語を自由に操る才女、Swervy。親の仕事の都合で様々な国を転々としてきた彼女は、多くのカルチャーを吸収してきただけに型にはまらないスタイルで自分を表現する。彼女は憧れだったレーベル<Hi-Lite Records>に初のフィメールラッパーとして今年2月に加入したばかり。レーベルメイトのReddyをフィーチャーした新曲「ART GANG MONEY」では、Swervyのイメージにぴったりのサイケデリックな雰囲気で勝負。トラックメイキングとMVの監督は彼女の実際の恋人でもあるSUIが務めた。ボーカルに合わせて使われた様々なサウンドおよび映像エフェクトが生み出す相乗効果は、すべての工程を同一人物が手掛けたからこそ出せる合わせ技だろう。