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鳥居咲子の新譜キュレーション

Jvcki Wai、GIRIBOY、Keith Ape……企画力やサウンドで個性発揮した韓国ヒップホップ新譜6選

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 2018年末から2019年初頭にかけての韓国ヒップホップシーンは、20代前半の新鋭ラッパーたちによる圧倒的勝利に終わった。総論としては高揚感のあるサウンドとシンギングラップが続出。似たような系統のトラックが並ぶ中、各アーティストは様々なアプローチで独自の魅力を引き出した。本稿ではそれらの中から特に企画力やサウンドで個性を発揮したものからセレクトした。

Jvcki Wai、Young B、Osshun Gum、Han Yo Han『Dingo X Indigo Music』

 まずはこの冬の韓国ヒップホップでNo.1ヒットとなった「Dding」から。大物ラッパーのSwings率いるヒップホップレーベル<Indigo Music>と、ソーシャルメディアコンテンツ制作会社・Dingoによるコラボ企画として生まれた楽曲だ。新世代ラッパーが集結した同レーベルは2017年の設立以降すさまじい勢いで新譜をリリースし続け、そのいずれも成功を遂げている。そんな<Indigo Music>とDingoの両社は2018年7月に企画第1弾として「flex」をリリースし、チャート9位に上るほどの健闘をした。リリースから半年でYouTubeの再生回数が2000万回に到達したことからも、その人気の高さがうかがえる。同じ企画の第2弾として年明けにリリースされた「Dding」は、大衆的な知名度の低い新鋭ラッパーたちによるヒップホップトラックとしては異例のチャート1位を獲得。Jvcki Wai特有の鋭い声で「モリガティン(訳:頭がガンッ)」と繰り返されるフックは、一度聴いたら耳から離れない。

[MV] Jvcki Wai,ヨンビ,Osshun Gum,ハン·ヨハン – he (Prod.By ギリボーイ)[Official Video]
GIRIBOY『Thank You』

 前述の2曲をプロデュースしたGIRIBOYのソロEP『Thank You』に収録されている「Vv2」は、ジャジーなビートが印象的なコンピレーショントラックだ。同じくSwings率いるレーベル<Just Music>の中心人物でもあるGIRIBOYは、ラッパーとして、そしてプロデューサーとして、時代の先を行くオリジナリティを武器にトレンドを引っ張ってきている。本トラックには、そんな彼が結成した“宇宙飛行”と呼ばれるヒップホップクルーから3名が参加。スロービートに乗せられたKid Milliのスキルフルなラップがとりわけ印象的だ。いずれのトラックにも共通することだが、GIRIBOYはキャッチーなリフを作るのが本当にうまい。

[MV] GIRIBOY(기리보이) _ vv 2 (Feat. Kid Milli, ChoiLB(최엘비), Kim Seungmin(김승민), Hayake)
Keith Ape『Born Again』

 KOHHが参加した「It G Ma」によって、日本のヒップホップファンの間でもその名が知られるKeith Ape。自身の名を冠した初のEP『Born Again』から「My Wrist Clearer Than Water!」のMVを新たに公開するなど、久々に活発な姿を見せた。同EPには「It G Ma」で世界から注目を浴びたことへの戸惑いを乗り越え、本来の自分に生まれ変わるという思いが込められているという。活動拠点をアメリカに置く彼は、韓国国内の同世代ラッパーたちとはトレンドを共にせず、本トラックでもサウンド、ラップスタイル、映像の世界観すべての面で自分らしい路線をブレずに貫いている。

Keith Ape – My Wrist Clearer Than Water! (Official Video)
punchnello『ordinary.』

 こちらも久々のお目見えとなったpunchnelloの作品から。実に2年ぶり(といっても本人はまだ21歳だが)の新作となったシングル曲「Absinthe」は突き抜けたハードコアトラックだ。幻覚症状を引き起こすとして製造・販売が禁止されていたお酒のアブサンを曲名に掲げ、MVの中で銃を手にしながら激しくシャウトする。このような曲がメジャークラスのレーベルから出てくるのが、韓国ヒップホップのおもしろさのひとつと言えよう。この直後にリリースされたEP『ordinary.』は軽快なラテンビートからしっとりしたメロウチューンまでバラエティ豊かに構成され、punchnelloの器用さが堪能できる。

[MV] punchnello(펀치넬로) _ Absinthe (Prod. by 0channel, 2xxx!)

      

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