Flowerの5人はまた新たな花を咲かせていくーーデビューからの歩みを振り返る

 しかしその後、メンバーの脱退が相次ぎ、グループは変化を迫られる。それでも、15枚目のシングル『たいようの哀悼歌』(2017年)は、シングルでは初となる週間1位を獲得。グループにとって困難だったであろうことも乗り越え、プラスに変えていくほど実力をつけていたのだ(参考:ORICON NEWS)。

 それは、アーティスト活動と並行して、それぞれが持つスキルをさらに伸ばしていったからだろう。鷲尾はE-girlsのメインボーカルとしてもさらに歌に磨きをかけ、佐藤と坂東はモデル、重留と中島は舞台出演やEXPG STUDIOでレッスンを行うなど、各方面で活躍していった。そこでインプットしたものをFlowerのパフォーマンスにアウトプットしていく。こうして、現在のFlowerは作り上げられていった。

 解散後の具体的な活動について現時点では明らかではないが、グループ結成時からのメンバーであり、リーダーの重留は、公式サイトで「アーティストとして生きてこられた時間は、私の人生の財産であり忘れられない思い出」と振り返り、「これまでの経験と出逢いを活かしながらしっかりと進んでいきたい」と、前向きなコメントを残している。(参考:重留真波からファンの皆様へ

 解散を惜しむ声が多いが、「わたしの中にFlowerはずっと生き続けていくんだと思います」と、坂東が公式サイトでコメントしたように、これまでの活動で培ったものは決してなくなることはない(参考:坂東希からファンの皆様へ)。花は散っても残した種が成長し、新たな花を咲かせる。今の彼女たちは、また種になったところだ。これから、彼女たちはどんな花を咲かせていくのだろうか。

〈今は寂しいけど それぞれ 出逢いと別れ 繰り返し 歩んで行くから 見守っていていね。〉
(鷲尾が作詞作曲に携わった楽曲「F」(2019年)より引用)

Flower 『F』 (Lyric Video)

■msk
ライター、エディター、アクセサリーデザイナー。芸能事務所、IT企業、アパレル、編プロ勤務を経て、フリーで活動中。ダンスを踊っていた経験と人脈を活かし、イベント撮影、MVなどのキャスティングも行っている。

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