Julia Wu×KEIJU×RIRI「Summertime」コラボパフォーマンスも披露 『PARA-』イベントレポ
2019年3月にPredawn、Kick a Showらが参加し、初開催ながら300人以上の観客を動員したイベント『PARA-』。好評につき開催された第2回目は<パラダイムシフト>がテーマとされ、既存の枠組みに縛られずに活躍する若きアーティスト/クリエイターが集められた。ライブアクトにはKANDYTOWNのKEIJU、台湾で活動中の中国系オーストラリア人シンガー・Julia Wu、19歳にしてグローバルな活動を展開しているシンガー・RIRIが登場。さらにDJとしてceroの橋本翼率いるパーティー・クルー、SOM TAM CLUBが出演した。
会場となったSHARE GREEN MINAMI AOYAMAの周りにはオープン前から長蛇の列ができており、彼女達の人気を早々に目の当たりにすることに。その大勢の観客が集まった同会場は、都心のど真ん中にあるとは思えない豊かな自然が広がった施設となっており、緑あふれる広場でチルしながら隣接スペースの会場でライブを堪能したりと、非常にピースフルな空間が広がっていた。また、会場内はSOM TAM CLUBによるスタイリッシュな写真が飾られていたり、カルチャーレーベル・BLANKMAGが今回のために台湾で直接買い付けてきたというTシャツやZINE、カセットテープ、そしてBLANKMAGのオリジナルグッズなどの販売があったり、天井のドレープが照明で煌めき会場をクールに艶やかに演出したりと、隅から隅までハイセンスでオシャレ。そんな会場でSOM TAM CLUBによる夏の終わりに相応しい清涼感のあるDJを聴きながら、心地好い気分でライブアクトの登場を待っていた。
SOM TAM CLUBの橋本翼、及びHAPPFATがクール&グルーヴィーなDJで十分会場を温めたのち、トップバッターでKEIJUが登場。KANDYTOWNの代表曲「Paper Chase」や「Prove」などを矢継ぎ早に披露していく。筆者はこの日が彼のライブ初体験だったが、滑舌の良い聞き取りやすいラップと流れるようなフロウに終始魅了され、ラッパーとしての力量、才能を短時間の中でおおいに見せつけられた。ビート感の心地好い「Let Me Know」、リリックにも惹き込まれるメロウな「Right Now」、チルウェーブ的な雰囲気のある最新EP『heartbreak e.p.』収録曲「Alone」など、様々なタイプの楽曲を緩急のあるラップで次々と繰り広げる様に、筆者同様魅了された観客も多かったことだろう。実際、最初はおとなしかった客席も徐々に盛り上がり始めて、彼の世界に惹き込まれていく様が伝わってくるようだった。最後はtofubeatsとのコラボ曲「Lovely Night」で締め、余韻残る中、彼のライブは終了した。
DJタイムを挟み、続いてはJulia Wuの登場。バックDJが「ゲゲゲの鬼太郎」や都はるみ「好きになった人」など、日本のオーディエンスに向けた曲をミックスして会場を沸かせたのち、主役のJuliaが満を持して現れたが、可愛い! 細い! セクシー!と思わず声を出したくなってしまうくらい、見た目の華やかさでまずはこちらを魅了する。90年代R&Bテイスト溢れる楽曲群も非常に心地好く、ルックス、楽曲、あらゆる面で日本人受けするシンガーだなと思った次第だ。透明感のある歌声もこちらを惹きつけるに十分すぎるほどだし、時折見せるダンスも艶やかで本当に魅力的である。ライブ自体はテンポ感が心地好いグルーヴィーな「撥接」、緩やかな8分の6拍子バラード「你是不是有點動心」など、英語と中国語を交えた楽曲を計6曲披露した。日本でのライブが初めてとは思えない堂々としたパフォーマンスであり、初めて見た日本の観客にも大きいインパクトを残したことだろう。終始和やかな雰囲気でライブは終了した。