PENTAGON、Weki Meki、VAV、CSVC……残暑にぴったりなK-POPレイトサマーソング6選
毎日、次々と新曲がリリースされている韓国の音楽市場。しかし、ヒットチャートの上位を占めているのは、実はロングランヒットのバラード楽曲やドラマのサウンドトラックが多い。例えば、8月に入ってからはドラマ『ホテル・デルーナ』旋風のあおりを受け、音楽チャート上位にも挿入歌がずらりと並んでいる状況だ。
筆者としては、チャート順位に惑わされぬまま最新曲をディグし、季節感やトレンドを味わうこともK-POPを楽しむ上での醍醐味だと考えている。今回は、7月から8月にかけてリリースされたK-POP最新曲の中から、「これからの時期にぴったりなレイトサマー・ソング」を6曲紹介したい。これらの曲を聴きながら、時に熱く、時に涼しい残りの夏を過ごしてみてはいかがだろうか。
PENTAGON「SUMMER!」
7月17日に最新アルバム『SUM(ME:R)』でカムバックしたPENTAGON。中でも夏の終わりに近付きつつある今だからこそ聴きたくなるのが「SUMMER!」である。
作曲を担当したのは、PRODUCE X 101のテーマソング「_지마(X1-MA)」を作曲したアルビン・ノルドクビスト、そしてK-POPのみならず安室奈美恵や嵐など多くのJ-POPアーティストにも曲提供をしているアンドレアス・オバーグの二人組。聞き馴染みの良いメロディをベースに、軽やかなリズムとピアノの旋律がどこか切ないヒップホップナンバーに仕上がっている。
大切な友達とのひとときの休暇、やりたいことを思いきりやって、一生の思い出作りをしよう――メンバーであるジノとウソクが直接作詞した歌詞が胸に刺さる。この夏やり残したことを消化しに、今すぐどこか遠くへ出かけてしまいたくなるような一曲だ。
Weki Meki「Tiki-Taka (99%)」
2ndシングル『LOCK END LOL』のリパッケージアルバム『WEEK END LOL』を8月14日に発売したWeki Meki。
これまでは比較的難解なメロディ構成の楽曲で活動することの多かった彼女たちだが、今回のタイトル曲「Tiki-Taka (99%)」はグループ活動曲史上最もキャッチーな仕上がりとなっている。数年前からK-POP内で一つの大きな潮流となっているディープハウスの要素を取り入れつつも、他の楽曲に埋もれない力強いメロディラインが特徴的だ。
この曲のテーマとなっているのは、この夏のうちに白黒つけたい「両片思い」な恋愛模様。意中の相手からの告白を待つ、微妙な乙女心を歌った歌詞にも要注目である。
VAV「Give me more(Feat.De La Ghetto&Play-N-Skillz)」
7人組ボーイズグループ・VAVの新曲「Give me more」は、K-POP史上最も本格的なレゲトン・ソングと言っても過言ではないだろう。
フィーチャリングを務めるDe La Ghettoは、日本でこそまだあまり名前を知られていなものの、YouTube再生回数が億を超えるヒットソングに幾度も参加しているラテンポップ界のスター。さらに、プロデュースを手掛けているのはグラミー賞受賞歴もあるプロデューサーユニット・Play-N-Skillzだ。グローバルレベルのアーティストとのコラボ楽曲がしばしば登場するのも、K-POPの醍醐味の一つである。
運命的なひと夏の恋愛を歌った、情熱的でセクシーなこの曲は、まだまだ続く熱帯夜をさらに“熱く”過ごしたい時にぴったりだろう。
CSVC(치스비치)「SUMMER LOVE...」
今から20年前、1999年の夏に発表されたアイドルソングーーそう説明されても誰も疑わないほど完璧に90年代歌謡シーンを再現した「SUMMER LOVE...」は、今年8月にデビューしたばかりのプロジェクトグループ・CSVCのデビュー曲だ。
オールドスクール風のスクラッチから始まるイントロから、90年代の香りが色濃く漂う。レトロK-POP愛聴者は、そこにS.E.Sの影を見るだろう。昨今のK-POPではなかなかお目にかからないようなベタな歌詞も、何だか妙にノスタルジック。しかしよく耳を済ましてみれば、「Siri」というワードも使われていたり……聞けば聞くほど不思議な気分になるが、紛うことなく2019年発表の楽曲である。
なお、メンバー4人は皆インディーシーンで活躍する女性シンガーで、歌唱力はお墨付き。今後も高クオリティな'90sリバイバルソングを発表してくれることに期待したい。