『Shadow is the Light』インタビュー
THE SIXTH LIEが語る、『とある科学の一方通行』OP曲や海外公演が広げたバンドの可能性
THE SIXTH LIEが、8月21日に最新シングル『Shadow is the Light』をリリースする。表題曲は、7月から放送中のアニメ『とある科学の一方通行(アクセラレータ)』のオープニングテーマを担当。ダークヒーロー的な存在の主人公・アクセラレータのキャラクターやアニメの物語を、挑戦的なサウンドと歌詞で表現した。
アニメ『ゴールデンカムイ』第1期エンディング曲を務めた前シングル曲「Hibana」から約1年。ベースのRyuseiが正式に加入し、『Japan Expo』などの海外イベントへの出演で国内外のファンも着実に増やす彼ら。『Hibana』から現在までのバンドの変化をはじめ、『Shadow is the Light』制作秘話や海外ライブでの手応え、アニメソングとバンドの関係性について話を聞いた。(編集部)
日本語の響きってカッコいいんじゃないか(Reiji)
ーー昨年のシングル曲「Hibana」はテレビアニメ『ゴールデンカムイ』の第1期エンディングテーマだったこともあり、反響も大きかったと思います。そう考えるとこの1年で、いろんな変化があったのではないでしょうか?
Ray(Dr):僕らは海外でもよくライブをしていて、『Japan Expo』みたいな日本の音楽や文化が好きな人が集まるイベントにも出演しているんですけど、そういう場でアニメの楽曲が1曲あるだけで、反応が一気に変わるというか。やっぱり強いなと思いましたね。
Reiji(Gt / Programming):あと、僕らは今まで英詞にこだわって曲を作ってきたんですけど、アニメソングの受け入れられ方を体感していくうちに、実は日本語の響きってカッコいいんじゃないかと考えるようになって。最近は「Hibana」をきっかけに、日本語の比率が上がっている気がします。
Arata(Vo):日本語の比率が高くても、結果的に海外では一緒に歌ってくれる人がいるので。例えば「Hibana」のサビの〈ぶつかって〉という歌詞も僕と一緒に、一生懸命歌ってくれますから。
Reiji:あとは、Twitterで反応してくれる人に、アイコンがアニメの人の率が上がりましたね。
ーー国内外含め、アニメファンから強い支持を受けているのがそれだけでも伝わってきますね。
Arata:そうですね。特にライブでは「ライブに来るのが初めてです」という方の中にアニメから入ってくれた方も多いんですけど、僕がジャンプや手振りを煽ったりすると楽しんでやってくれるんです。
Ray:「Hibana」はうちの曲の中では電子音が少なめで、ロック色の強い曲だったので、アニメから入ってきたお客さんが電子音メインだったりEDMっぽい曲にどう反応するんだろうと心配していたんですけど、来てくれた皆さん他の曲にもしっかり対応してくれて。
Reiji:純粋に音楽が好きな人が多いんだなって感じました。アニメはもちろん、音楽も好きだからこそ素直にいろいろ受け入れられるんだろうなって思いました。
ーーそういう活動の中、「Hibana」のインタビュー時(※THE SIXTH LIEが『ゴールデンカムイ』ED曲に込めたもの「“生と死にまつわる戦”の雰囲気を」)は3人でしたが、昨年9月にはRyuseiさんが正式加入しました。
Ryusei(Ba):そうですね。あのインタビューもしっかり読んでます(笑)。
Arata:僕らはもともと4人編成だったので、3人だった頃は「ちょっとステージが広すぎるかな」と物足りなさを感じていたんですけど、Ryuseiが加入したことによってそれがさらに見せ方が広がったというか。
Ray:圧が出てきたよね、ステージに。
Arata:うん。身長が184cmあるんで、ステージ両サイドに背が高い人がいると迫力がね。
Reiji:ああ、俺もか(笑)。
『Japan Expo』では僕らの曲がずっと流れていた(Ray)
ーーこのインタビューの数日後にはマレーシアでの『Japan Expo Malaysia』(7月27〜29日開催)が控えています。フランスの『Japan Expo Paris』同様、こちらも昨年に続いての出演となります。
Ray:向こうに行くとスタッフの方が、僕らの曲を結構気に入ってくださって。フランスでは去年、僕らの「Go on」(※3rdアルバム『SINGularity』収録)って曲が会場でずっと流れていたんです。しかも、そのあとに主催側が『Japan Expo』のまとめ動画みたいなものを作ってくださったんですけど、そのBGMにも「Go on」を使ってくれていて、まるで主題歌みたいになっていたよね。
Reiji:だって、他の出演者が高橋洋子さんとか大塚愛さんとか平野綾さんとか、マレーシアだとAKB48さんとか、皆さん日本でヒットしている方たちばかりなのに。地道に活動している身としては呼んでもらえるだけで光栄なのに、あんな待遇を受けるなんて信じられないですよ。
ーーこの受け入れられている感には、どういう理由があるんでしょうね?
Ray:やっぱりサウンドなのかな。
Ryusei:特に僕らは全員、聴く音楽も洋楽が多いですし、そういった影響が出ているんだと思います。
ーーなるほど。そんなTHE SIXTH LIEが日本や海外で活動していく上で、大切にしていることは?
Reiji:やっぱりビート感をすごく意識していますね。ライブにはアニメ経由で来てくれた方とかいろんな人が集まるけど、結局盛り上がる曲となると「Endless Night」(※2ndアルバム『DIFFERENTIAL』収録)や「Wake Up Your Fire」(※1stアルバム『INTEGRAL』収録)といった、主にBPM128あたりの4つ打ち曲なんです。特に海外の人たちって、BPM128あたりのミドルテンポが文化的にすごく強いんだなと感じたので、そのビート感を自分たちの基礎として持っておきたいなと思っています。
ーー今のアメリカのヒットチャートを見ていると、BPM的にはもうちょっと緩い曲が多いですよね。
Reiji:そうですね、特にヒップホップあたりはBPM100前後ですし。僕、The Chainsmokersがすごく大好きなので、のちのちそのへんにも手を出したいとは思っているんですけどね。