KOKOKO!、Ondo Fudd、Datach'i……小野島大が選ぶエレクトロニックな新譜9選
イギリス・ウェールズのプロデューサー、Leifの4年ぶり新作『Loom Dream』。The xxやFKA twigsを輩出したUKブリストルの<Young Turks>傘下の<Whities>からのリリースです。フィールドレコーディングによる自然音に、ベースミュージック以降の音響感覚を溶かし込んだ美しく繊細で、どこか静かに狂っているエクスペリメンタル〜アンビエントハウス。いつまでも浸っていたい上質なチルアウトミュージックです。
NYブルックリン在住のジョセフ・フレイオリのプロジェクトがDatach'i。名門<Planet Mu>傘下の<Timesig>からの新作が『Bones』です。亡くなった父親のギターをサンプリングしてモジュラーシンセに取り込んで作ったという、非常にエモーショナルでディープなエレクトロニカ。ノスタルジックなメロディと美しく温かみのあるシンセの音色のバランスが素晴らしい。
最後に日本人クリエイターの作品を。フィールドレコーディングを駆使したサウンドプロダクションが特徴のYosi Horikawaの『Spaces』(Borrowed Scenery)。サンプリングした自然音を民俗音楽、ヒップホップ、テクノ/IDM、ベースなど様々なサウンドスタイルに昇華させています。理知的なサウンド構築ですが、同時にオーガニックなチルアウトミュージックとしても楽しめる佳作。bandcamp Yosi Horikawa
ではまた次回。
■小野島大
音楽評論家。 『ミュージック・マガジン』『ロッキング・オン』『ロッキング・オン・ジャパン』『MUSICA』『ナタリー』『週刊SPA』『CDジャーナル』などに執筆。Real Soundにて新譜キュレーション記事を連載中。facebook/Twitter