ジャニーズJr.に脈々と流れる“ジャニーズの血” 単独ドーム公演を3つのポイントから振り返る

 8月8日、東京ドームにてジャニーズJr.のコンサート『ジャニーズJr.8・8祭り〜東京ドームから始まる〜』が行われた。ジャニーズJr.だけでの単独ドーム公演は、なんと約19年ぶり。東西合わせて300人以上ものジャニーズJr.が出演し、魅力的なコンサートを作り上げた。このコンサートの面白さはたくさんあったが、中でも特に筆者の印象に残った部分を、いくつかのポイントに分けて解説していく。

 まず一つ目の面白さは、現存するジャニーズJr.の多様さだ。今回、コンサートに出演したグループは、SixTONES、Snow Man、Travis Japan、HiHi Jets、美 少年、少年忍者、7 MEN 侍、宇宙Six、MADE、なにわ男子、Aぇ!group、Lil かんさいの12組。今までにも、このうちのいくつかのグループが合同で舞台やコンサートを行うことはあったが、これだけのグループが一堂に会したのは今回が初めてのこと。セットリストの前半、宇宙SixとMADEがコラボレーションして歌う「Crazy Moon」(嵐)、HiHi Jetsがローラースケートを履いて和太鼓を叩く「Yellow Gold」(赤西仁)、Snow Manが舞台『滝沢歌舞伎』で毎年挑んでいる伝統の「腹筋太鼓」が続くシーンがあったが、それぞれ全く違うタイプのグループなのにもかかわらず、続けて見ると統一感もあり、ジャニーズアイドルたちに脈々と流れる“ジャニーズの血”を感じることができた。

 また、コンサート前半で実は一番歓声が大きかったのでは? というくらい盛り上がったのが、寺西拓人、室龍太、高田翔、林翔太が石垣大祐のピアノ伴奏で歌った「君と…Milky Way」(Sexy Zone)。普段は“舞台班”として東宝ミュージカルなどにも出演している彼らが揃った姿は、非常に貴重。Jr.内グループ以外にも、個人で活動する才能溢れるJr.がたくさん存在している。層の厚さを改めて感じた1曲だった。

 次に面白かったのは、ここでしか見ることができないコラボレーションの数々だ。例えば、美 少年とLil かんさいは、2グループのメンバーがそれぞれペアを組み甘い言葉を囁く「キミアトラクション」(Hey! Say! JUMP)を披露。客席から絶え間なく歓声が上がっていた。さらに、東京Jr.のギタリスト・小川優と、「関西ジャニーズJr.No.1ギタリスト」と称されるAぇ!groupの正門良規が、ギターバトルをする場面も。普段は関東、関西に分かれて活動する機会が多いJr.たちのコラボは、とても貴重だった。

 2020年にジャニーズ史上初の同時デビューすることが発表されたSixTONESとSnow Manは、その発表の後に2グループの思い出の曲でもある「Fire Storm」を披露。真剣に前を見据えて歌うメンバーの表情からは、これからもお互いライバルであり仲間でもあるという絆が感じられた。

 コンサートの終盤では「コラボコーナー」と題し、様々な先輩たちの名曲を各グループから選抜されたメンバーで歌う場面も。特に意外だったのがSixTONESの田中樹を筆頭に、猪狩蒼弥(HiHi Jets)、ヴァサイエガ渉(少年忍者)、川崎皇輝(少年忍者)、本高克樹(7 MEN 侍)が集まって披露したラップ。田中、猪狩は普段からグループ内でもラップパートを担当することが多いが、他の3人については意外な人選だと感じた人も多いのではないだろうか。しかし三者三様に、素晴らしいパフォーマンスを行い、新たな才能を見せつけてくれた。

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