BOYS END SWING GIRLのライブから感じたバンドのポテンシャル ツアー最終公演レポ
今年6月にメジャーデビューアルバム『FOREVER YOUNG』をリリースした4人組ロックバンド、BOYS END SWING GIRL(以下、BESG)が、それを携えての東名阪ツアー『FOREVER YOUNG』を開催。7月21日には東京・渋谷WWW Xにてファイナル公演を行なった。
客電が落ち、ステージ後ろのスクリーンに「BOYS END SWING GIRL」のロゴが映し出されると、フロアからは大きな歓声が。続いて今回のツアーのバックステージやオフショット、これまでリリースしてきた音源のアートワークなどがコラージュされたムービーが流れ出し、この数カ月の怒涛の日々を集まったファン全員で共有する。万感の思いに胸がいっぱいでいると、映像から流れるカウントとともに、冨塚大地(Vo/Gt)、白澤直人(Ba)、鍔本隼(Gt)、飯村昇平(Dr)がステージに登場。力強いキックの4つ打ちとともに、まずはアルバムの中でもとびきりポップな「MORNING SUN」から、この日のライブはスタートした。
うねるようなベースラインの上で、シンコペーションの効いたグルーヴたっぷりのシンセサイザーと、軽やかなギターのカッティングが有機的に絡み合う。そして、天井を突き抜けるような冨塚のハイトーンボイスがサビのメロディを力強く歌い上げると、フロアでは手を振りかざしたオーディエンスたちが、コーラスに合わせてシンガロング。早くも会場は一体感に包まれた。
続いて2016年にリリースされた、4枚目のミニアルバム『TRANCE』収録の「アンハッピーブレイカー」では、白澤がベースを抱えたままステージの隅から隅まで全速力で走り回り、フロアを大いに沸かせている。ギブソンのレスポールを抱えた鍔本は、ステージの縁ギリギリまで出てきて煽るようにギターソロを炸裂させた。また、昨年リリースされた『NEW AGE』収録の「蒼天を征け」では、力一杯かきむしられる冨塚の歯切れ良いフェンダーテレキャスターと、鍔本の野太いレスポールが絶妙なコントラストを生み出し、その艶やかなアレンジがキャッチーなメロディをより引き立てる。サビの掛け合いコーラスをメンバーと一緒に歌っていると、まるで自分もBESGのメンバーになったような錯覚を覚えた。
間髪入れずに演奏された「Magic」(『NEW AGE』収録)は、キャッチーなシンセリフが印象的。再び白澤が、今度はベースを置いてステージ狭しと飛び回り、ボーカルの前に立っておどけたポーズで笑わそうとするなど、クールな見た目とは裏腹のやんちゃな振る舞いに、会場からは大きな笑い声が漏れた。
「初めてのフルアルバム『FOREVER YOUNG』をリリースしました! たくさん新しい曲ができてさ、でかいライブハウスのスピーカーで、みんなの心に直接届けられるのは、今回のツアーが初めてなわけです。俺たちもメチャクチャ楽しみだったし、この曲たちも楽しみにしてたんじゃないかなと思っています。その初めてを一緒に噛み締めて、かつ情熱を共有しながら一緒に楽しめたらと思っています。最後までよろしくお願いします!」と、冨塚が元気いっぱいに挨拶すると、大きな拍手と歓声が巻き起こった。