『スタミュ』と『あんさんぶるスターズ!』が夏アニメ席巻 学園×音楽で人気集める両作の特徴は?
個性派揃いのユニットが魅力『あんさんぶるスターズ!』
7月7日よりTOKYO MXほかにて放送されている『あんさんぶるスターズ!』。原作は、2015年から配信されている同名のスマートフォン向けアプリゲームで、300万DLを突破した人気作。男性アイドルの育成に特化した私立夢ノ咲(ゆめのさき)学院に通う男子生徒たちがそれぞれユニットを組み、トップアイドルを目指す姿が描かれる。2015年から発売されているキャラクターソングCDシリーズは毎回オリコンチャートの上位に入り、今年1月には2回目となるキャストライブを日本武道館で開催するなどの人気を誇り、待望のアニメ化となった。TVアニメでもゲームのプレイヤーポジションである、夢ノ咲学院の転入生にして唯一の女子学生・あんず(声:坂本真綾)の視点で物語が進み、明星スバル(声:柿原徹也)、氷鷹北斗(声:前野智昭)、遊木 真(声:森久保祥太郎)、衣更真緒(声:梶 裕貴)の4名で結成されたユニット・Trickstar(トリックスター)をメインに、原作に沿ったストーリー展開を見せている。本作にはTrickstarに加え、多くのアイドルユニットが登場し、それぞれがユニットのカラーを押し出した個性派揃い。
神々しさを纏う絶対王者ユニット・fine(フィーネ)に、過激なパフォーマンスと背徳的な雰囲気で魅了するユニット・UNDEAD(アンデッド)、騎士道を貫き優美で華麗な立ち居振る舞いを見せるユニット・Knights(ナイツ)、戦隊ヒーローをコンセプトにした熱血系ユニット・流星隊、“ちいさくてかわいい”がテーマのユニット・Ra*bits(ラビッツ)、双子のシンクロパフォーマンスが魅力の2wink(トゥウィンク)、伝統を重んじる硬派で和風なユニット・紅月(アカツキ)、格式高い芸術家気質なユニット・Valkyrie(ヴァルキュリー)、魔法使いをテーマに奇抜なエンターテインメントを見せるユニット・Switch(スウィッチ)、お祭り男である三毛縞 斑(声:鳥海浩輔)のソロユニット・MaM(マム)と、夢ノ咲学院だけでも11ユニット。さらに、夢ノ咲学院のライバル校に所属する、Eve (イヴ)とAdam(アダム)の2ユニットが登場する。この、13ユニット(※2019年7月現在)の多彩さは本作の魅力のひとつだろう。そしてそれぞれのユニット楽曲にも注目したい。Trickstarならポップでキラキラとした王道のアイドルソング、UNDEADならダークなメロディで歌い上げる曲も多く、流星隊なら戦隊ヒーローソングらしい楽曲に……と、それぞれのユニットのコンセプトに沿った楽曲になっており、ユニットの世界観にじっくりと浸ることができる。
もちろん、登場人物同士の関係性もポイントだ。彼らは学院内でユニットを組んでいるが学年や部活動はバラバラ。ユニットとしてトップアイドルを目指すライバル同士ではあるものの、クラスメイトとしてや部活の先輩後輩関係など、普段の学生生活においての親しいやりとりも見せる。
学校を舞台に、自分の夢に向かって青春時代を駆け抜ける。彼らの一生懸命な姿は、見る人に勇気や感動を与えるだけでなく、「応援したい」という気持ちにさせる。たくさんの登場人物が登場し、“主人公”の立ち位置はいるものの、登場人物ひとりひとりにドラマがあり、全員が“主人公”であることは変わりないだろう。
■渡邉千智
アニメ、ゲーム、声優、舞台系などをメインにインタビュー、記事執筆などを行う編集・ライター。
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