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クリス・ブラウン、ダニエル・シーザー、シェイ・リア……高橋芳朗が選ぶR&B注目アルバム4選

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 今月もR&Bの注目タイトルを4作品。

クリス・ブラウン『インディゴ』

 まずは前作『Heartbreak on a Full Moon』から約1年半ぶりになるクリス・ブラウンの通算9作目『Indigo』を。計45曲/2時間39分にも達した『Heartbreak on a Full Moon』での大作志向は今回も継続。若干ボリュームダウンしたとはいえ、トータルで32曲/2時間4分という正面から向き合うにはそれなりの覚悟が要求される代物だ。そんなわけで聴く前から構えてしまう方も多いかもしれないが、これがこのトラック数にして退屈な曲が皆無という驚異的な充実ぶり。ドレイクから、リル・ジョン、H.E.R.、ジャスティン・ビーバーまで、前作を超える16名に及ぶゲスト陣の多彩さもあって曲を経るごとにぐいぐい惹きつけられていく。DMX「How’s It Goin’ Down」(「All I Want Is」)、Juvenile「Back That Azz Up」(「Need a Stack」)、Clipse「Grindin’」(「Sorry Enough」)、シャニース「I Love Your Smile」(「Undecided」)、Aaliyah「Back & Forth」(「Throw It Back」)など、90~00年代のヒップホップ/R&B名曲をサンプリングした飛び道具的楽曲が長尺のアルバムのアクセントとして絶妙に機能。さらには「Come Together」でのOne Way「Don’t Stop (Ever Loving Me)」、「Temporary Lover」でのアリシア・マイヤーズ「I Want to Thank You」、「Troubled Waters」でのウィルソン・ピケット「Get Me Back on Time, Engine Number 9 (Pt. 1 & Pt. 2)」といった大ネタ使いのほか、「Fine China」(2013年)に続くマイケル・ジャクソンオマージュ「Back To Love」も上乗せしてくるという出し惜しみのなさだが、これだけサービスしておきながらも乱雑にならない品の良さに「King of R&B」(「Emerald/Burgundy」のJuicy Jのヴァースより)の矜持を見る思い。まちがいなく、キャリア屈指の傑作。

Chris Brown – Undecided (Official Video)
Chris Brown – Back To Love (Official Video)
ダニエル・シーザー『CASE STUDY 01 [Explicit]』

 客演したコモン「HER Love」の興奮が冷めやらぬなか、『FUJI ROCK FESTIVAL』での来日を目前に控えたダニエル・シーザーがニューアルバム『Case Study 01』をサプライズリリース。ゲストにファレル・ウィリアムス、ジョン・メイヤー、ブランディ、ジェイコブ・コーリアーを迎えるなど、昨今の人気ぶりを受けてぐっとメジャー感が出てきたが、基本的には前作『Freudian』の良さを継承する内容。とりわけ『Freudian』の人気曲、「Get You」「Best Part」「We Find Love」あたりの流れを汲んだ前半の5曲が素晴らしい。ハイライトはブランディとのいぶし銀のデュエット「LOVE AGAIN」、いやがうえにもD’Angelo「Untitled (How Does it Feel)」を想起させる「OPEN UP」、そしてTommy James and the Shondells「Candy Maker」を引用して極上のメロウネスを紡ぎ出す「CYANIDE」等。オルタナティブ色の強い後半5曲では、聴き手を深淵に引きずり込む中盤以降の展開がスリリングな「TOO DEEP TO TURN BACK」がいい。

CYANIDE
LOVE AGAIN

      

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