乃木坂46『真夏の全国ツアー』で示す“新たな坂道”とは ラジオやツアーの映像から考える

 桜井は『ANN』の中で“意味も含まれている演出もある”とも話していたが、その一つにツアーでは7月5日に公開されたドキュメンタリー映画『いつのまにか、ここにいる Documentary of 乃木坂46』の映像も一部使用されている。現在、ファンの間で話題になっているのが、オープニングの中で「僕たちはここだ」というテロップと共に映し出される新国立競技場の映像。乃木坂46にとって神宮球場はホームの会場であり、隣接する新国立競技場は新たな坂道の頂として目指すべき適任の場所だ。

 今年、11月末に完成する新国立競技場のこけら落としイベントが12月に開催され、アーティストも出演する音楽を交えたものとなる一方で、老朽化した神宮球場と秩父宮ラグビー場の場所を入れ替える再開発が2021年より着工されるとの報道もされている(参考:国立競技場12・21こけら落とし…人類はひとつに神宮球場と秩父宮ラグビー場の入れ替え、31年にも完了)。つまり、毎年恒例となっている神宮でのライブも、今年を含めてあと3年で一旦の幕を閉じることとなる。オリンピックイヤーとなる2020年は、例年に増して会場問題が熾烈を極めるだろう。

 4期生というグループにおける胎動と乃木坂46が上る新たな坂道。9月には24thシングルのリリースも控え、さらなる高みへと飛躍するグループの像が見えるツアーは、まだ始まったばかりだ。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

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