Baby Kiyのライフスタイルが支持を集める理由 SNS世代のアイコンとしての存在と音楽性

 そのセルフプロデュース力は音楽においても存分に発揮されている。Baby Kiyの最大の特徴は、日常のどの時間に聴いても邪魔にならないサウンド感だ。クラシックな“サーフミュージック”を想像すると少し拍子ぬけしてしまうかもしれないが、それは彼女が今を生きる人々の生活に寄り添おうとしているからこそ。サーフミュージックの海や波を彷彿とさせる要素を、巧みにJ-POPに落とし込んでいる。月明かりに光る水面を模写したようなウィンドチャイムや波の満ち引きを表す3拍子など、彼女こだわりのサーフミュージックらしさが楽曲のいたるところに潜む。

「Trouble」Baby Kiy

 また、歌詞においてもそのこだわりが見てとれる。「Just you and me」では〈海に揺られた あの日のsunset〉や〈裸足で駆け抜ける〉など海を想像する単語が用いられ、情景を鮮やかに描いて見せる一方で、英語にしても日本語にしても難しい言葉はなく誰にでも伝わる言葉を選んで伝えている。日常に溶ける音楽という側面を大事にしている彼女ならではの表現ができるからこそ、いつだって自然体なBaby Kiyでいられるのだろう。

 そんな彼女をアサインした明治チョコレートのキャンペーンが、3月よりスタートしている。キャンペーンムービーで描かれているのは、Baby Kiyの日常を覗いているようなありふれた風景。しかし、そういう映像だからこそ自然体な彼女の魅力が伝わるのだと思う。全体的にビンテージ調な加工は、彼女のInstagramを彷彿とさせる。ナチュラルで日常に寄り添った価値観を提示しているBaby Kiyの魅力が、このキャンペーンを機により多くの人に広がっていっていることだろう。しっかりと表現したい軸を持ちつつも“ありのまま”に輝く新しい時代のアイコンから、今後も目が離せない。

明治「アーモンド」「マカダミア」×Baby Kiy「Stay Together」ブランドタイアップCM

 なおBaby Kiyは、3月にも沖縄で出演した『夏びらきMUSIC FESTIVAL 2019』への出演が決定しており、6月22日に大阪、7月7日に福岡、7月15日に東京でそれぞれパフォーマンスを行う。

■坂井 彩花
ライター/キュレーター。1991年生まれ。ライブハウス、楽器屋販売員を経験の後、2017年にフリーランスとして独立。Rolling Stone Japan Web、EMTGマガジン、ferrerなどで執筆。
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■出演情報
『夏びらき MUSIC FESTIVAL 2019』
2019年6月22日(土)大阪府 服部緑地野外音楽堂
2019年7月7日(日)福岡県 天神コア 屋上広場
2019年7月15日(月)東京都 アリーナ立川立飛

Baby Kiy オフィシャルサイト

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