BTS、デビュー6周年までの背景 “グループ内のバランサー”ジンが果たした役割
初のスタジアムワールドツアーである『LOVE YOURSELF: SPEAK YOURSELF』の北米、南米、ヨーロッパ公演を終えたばかりのBTS。7月に日本公演を控える中、本日6月13日にデビュー記念日を迎えるにあたり、現在は韓国・ソウル、釜山でのファンミーティングに向けた『BTS FESTA』の真っ最中だ。『BTS FESTA』はデビュー記念日をファンと祝うための特別企画で、秘蔵写真やメンバー個人がソロ曲を披露するなど、ファンのための感謝ウィークと言ったところだろう。今年の『BTS FESTA』で作詞作曲に参加したソロ曲「이 밤(この夜)」を披露したのが、メンバーのジン。自分のコンパニオンアニマル達のことを思って書いた切なくも温かい歌詞が印象的な1曲だ。
1992年生まれとグループの中で最年長のジンは、元々アイドルや歌手を志していたわけではない。高校2年生の時に俳優・キム・ナムギルの出演していたドラマを見て演者を目指すようになった。現在でも“ビジュアル担当”と言われるほどの整ったルックスの持ち主で、中学生の頃にはSMエンターテインメントからのスカウトを受けたこともあるそうだ。当時は詐欺を疑ったそうだが、受験を終えて建国大学の演劇映画科に進学する準備をしていた時、今度は現在の所属事務所であるBigHitエンターテインメントにスカウトされ練習生になった(2回目だったし、様々な経験をしたくてスカウトを受けた、とのこと)。当時BigHit練習生のボーカルトレーニングを行っていた、『PRODUCE 101』シリーズでもお馴染みのボイストレーナー、キム・ソンウンは、ジンは最も多くレッスンをしたメンバーで、歌の経験が全くなかったために当初は地声程度の音域しか出なかったが、練習熱心で最終的にある程度の音域が出せるようになった、と回想していた。楽曲中ではパート配分は多くはないが、 ジミンとはまた違う高音域で感情表現に優れた歌声の持ち主であり、ライブでの安定感はメンバーの中でもトップクラスと言えるだろう。
冒頭で触れたソロ曲「この夜」は穏やかでアコースティックだが、『WINGS』収録のソロ曲「Awake」では、本人の心情を乗せた歌詞と共に刹那的なボーカルを味わうことが出来る。ダンス経験も皆無で、練習生になってから始めたために、初期はかなりついていくのが大変だったようだ。ダンスが苦手だというRMと並んで自身のダンススキルをネタにしたりもするが、他メンバーが練習量でカバーしていると言う通り、楽曲ごとにセンターパートが増えてきている。パフォーマンス面では目立つ方ではないが、個人活動の少ないBTSの中では、ソロでのバラエティ出演が多い。初期はあまり主張しない大人しいイメージだったが、徐々に“親父ギャグ”好きや、ルックスに自信があることをあえて強調するなど、笑いに対して貪欲なキャラクターを表に出し始めた。キャラクターチェンジのきっかけは「FIRE」での投げキッスの振付。ファンの反応がとても良いので、それ以来大げさな振る舞いをするのが楽しくなったとのことだ。