SHISHAMOが放ち続けるエネルギーと瑞々しさ ベスト盤を機に辿るバンドの成長の軌跡
3ピースバンド・SHISHAMOが6月19日に初のベストアルバム『SHISHAMO BEST』をリリースする。本作は、CDデビュー5周年を迎えた彼女たちのこれまでをギュッと凝縮した、まさに集大成的な作品であり、1stシングル曲「君と夏フェス」から最新曲「OH!」までのシングル9曲に加え、『NHK紅白歌合戦』でも歌われた代表曲「明日も」や、アルバムのみに収録されていた「僕に彼女ができたんだ」、「恋する」などファンに人気の楽曲全13曲をセレクト。本作の発売に先立ち、宮崎朝子(Gt/Vo)が「高校生の時に作った曲から最新のシングルまで、SHISHAMOの音楽の持つキラキラした世界をたっぷり楽しんで頂ける選曲になっています。SHISHAMOの事を知らない方にも是非聴いて頂きたいです」とコメントしている通り、入門編としても長く聴き継がれる作品になることは間違いない。
2010年に同じ高校の軽音部の面々で結成されたSHISHAMO(当時の表記は「柳葉魚」)。2012年には、高校生アマチュアバンドの全国大会『TEENS ROCK IN HITACHINAKA 2012』に出場し、優秀賞とボーカル賞を受賞する。これをきっかけに音楽関係者を中心に注目を集め、2013年、高校卒業後間もなくデビューアルバム『SHISHAMO』をリリース。以来、コンスタントに楽曲を発表しながら、年間2本ペースでワンマンツアーを開催するなど、精力的に活動を続けてきた。その間、平均年齢20.4歳という若さで武道館公演を成功させ、2017年には『NHK紅白歌合戦』出場と、エポックメイキングな出来事があったことも忘れてはいけない。わずか5年の間にめまぐるしい変化を遂げながらも、着実に成長を遂げてきた彼女たちは、今やネームバリューにおいても集客力においても、バンドシーンの筆頭に挙げられる存在となった。
今回のベスト盤では、これまでSHISHAMOが発表した全シングル曲が網羅されているのは前述した通り。どの楽曲も彼女たちの軌跡そのものとも言える輝きを放っているが、とりわけターニングポイントとなったのは、メンバーチェンジ後初のシングル曲「量産型彼氏」と、ブレイクのきっかけともなった「明日も」ではないだろうか。「量産型彼氏」は、結成当時からベースを担当していた松本彩が脱退し、新たに加入した松岡彩のお披露目ともなった楽曲。松岡にとっては大きなプレッシャーの中での挑戦だったと思われるが、SHISHAMOとの相性の良さを窺わせるプレイでバンドに新風を吹かせた。