Sonar Pocket、ファンとの約束の積み重ねで築いた10年の軌跡 アニバーサリーツアー最終公演レポ

ソナポケ、約束の積み重ねで築いた10年の軌跡

ソナポケがファンと交わした新たな約束

matty

 背中をやさしく押してくれる応援歌もSonar Pocketの側面だ。「もしあなたが負けそうになった時は、この曲を思い出してください」と歌った「つぼみ」。〈負けるな〉というストレートでシンプルな言葉が胸に突き刺さる。真ん中でギターを弾きくmattyを取り囲むようにしてko-daiとeyeronが向かい合って歌う姿も印象的だ。また「顔晴れ」では、観客は3人のエールに押されるようにして、〈オイオイオイ!〉と声を出して、天井に向けて拳を突き上げた。

 終盤はお祭りのような騒ぎ。「ソナポケ☆DISCO」では、ステージ上の大きな箱の中にメンバーが入ったと思ったら、箱からキッズダンサーが登場するイリュージョン的な演出でも盛り上げた。観客には親子連れや小さいお子さんも多く、楽しいダンスを子どもも一緒に踊る。サンバ調の「ホイッスル!!!」ではタオルを回して、〈ワッショイ〉の声に合わせて声をかけ、客席からもホイッスルが鳴り響く。mattyがエレキギターのソロを聴かせたほか、みんなのノリの良さにeyeronが客席に飛び込むハプニングもあった。

「デビューして漠然と夢を追いかけ、小さな目標を一つひとつクリアしてきたのが俺たちです。いきなりでかいことができるヒーローなんかじゃない。立ち止まって振り返ったこともあった。小さい目標を積み重ねることで、大きな目標を叶えてきた。次の目標は、7月20日に三重で開催するソナポケスパーランドです。交通費と宿泊費を払っても、おつりがくるくらい楽しませるから!」(eyeron)

「みんながいたから歩み続けてこられた。さまざまな感情を共有して。まだ叶えていない夢もある。最後まで見届けてやろうと、思ってもらえるアーティストになります」(matty)

「今日のあなたの笑顔と歓声に救われました。僕らはあなたの笑顔が見たくて、もっとSonar Pocketでいたいと思いました。あなたがいるから、3人はSonar Pocketでいられるんです。もっといい曲、いいライブをお届けできるように、力を合わせて頑張っていきます」(ko-dai)

 今の気持ちを三者三様の言葉で表現した彼ら。本編最後には「あなたのために書いた曲です。あなたのことを思って、何度も何度も書き直しながら書いた、この曲を最後に歌わせてください」と、「flower」を歌った。スケールの大きなミディアムのサウンドに乗せて、胸に手を当てながら、思いを伝えるようにして歌った3人。〈これからも この先も 君と笑顔の花を咲かせ続けよう〉というフレーズが、聴く者の胸に響く。「Promise」で始まったSonar Pocketの活動は、ファンとの約束の積み重ねだ。この日もまた、これからも笑顔でいられるように、ずっと曲を作り続け、ずっと歌い続け、ずっとステージに立ち続けることを、NHKホールに集まったファンと約束してくれた。

■榑林史章
「THE BEST☆HIT」の編集を経て音楽ライターに。オールジャンルに対応し、これまでにインタビューした本数は、延べ4,000本以上。日本工学院専門学校ミュージックカレッジで講師も務めている。

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