乃木坂46 松村沙友理が語る、8年経って気付いた仕事に対する貪欲さ「私って本当に欲深いんです」

乃木坂46松村沙友理、仕事への貪欲さ

 乃木坂46が4thアルバム『今が思い出になるまで』を4月17日にリリースする。同作は3rdアルバム『生まれてから初めて見た夢』から約2年ぶりとなるアルバム作品。3期生メンバーが初めてセンターを務めた2017年8月リリースの18thシングル『逃げ水』から、主要メンバーの卒業が重なりグループにとって大きな転換期を迎えた2018年、そして4期生の活動が本格的にスタートする2019年へ。この約2年間で様々な出来事を経験し、新たなフェーズへと変貌を遂げつつあるグループの歩みが詰め込まれている。

 リアルサウンドでは、乃木坂46 1期生であり、非公式ユニット“さゆりんご軍団”のリーダーである松村沙友理にインタビュー。グループの主要メンバーとして存在感を発揮する松村だが、ファッション誌『CanCam』の専属モデル、現在放送中のドラマ『賭ケグルイ Season2』(TBS系)での女優業、バラエティ出演といったソロ活動も精力的に行っている。3rdアルバムから4thアルバムまでのトピックを振り返りつつ、4期生に対する印象や8年目に突入したグループの現在地、そしてソロ活動での展望を語ってもらった。(編集部)【最終ページに読者プレゼントあり】

8年が果たして長いのか短いのかが全然わからなくて

松村沙友理

ーー昨年はアンダーメンバーのアルバム(※2018年1月発売の『僕だけの君〜Under Super Best〜』)がありましたけど、乃木坂46全体としては『生まれてから初めて見た夢』(2017年5月発売)から2年ぶりのアルバムなんですよね。

松村:そう考えると、ずいぶん時間が経ちましたよね。収録されているシングルも「逃げ水」(2017年8月発売)からなので、すごく新しい時代に入ったなという気もするし。

ーーちょうど3期生が初めて選抜に入ったタイミングのシングルでしたし。そう考えると、このアルバムには乃木坂46が新しいフェーズに入って変化していく2年間がまとめられているという見方もできます。

松村:めっちゃそんな感じがします。私的にはジャケット写真も今までの乃木坂とはちょっと違うなと思ったんですよ。今までのアルバムと比べたら、ちょっと雰囲気が違いますし。

ーー女の子が乃木坂の歴史を見ているような。

松村:そう。こうやって既存の写真を使うジャケット写真って見る人それぞれがいろんな妄想をできると思うんですけど、私的には「逃げ水」からの収録曲と知ったら3期生、4期生の子たちが乃木坂の歴史を見ているような解釈でもありなのかなと思って。

ーーと同時に、この2月でデビュー8年目に突入したわけですから、それだけ歴史を積み重ねてきたという意味でもありますものね。松村さん自身も、乃木坂に入った頃はまだ18歳だったわけですから。

松村:ふふふふ(笑)。すごいですよね。でも、最近は1期生がどんどん卒業していって、そのたびに「うちら8年間、おつかれさまでした」みたいな話によくなるんですけど、その8年が果たして長いのか短いのかが全然わからなくて。

ーー当事者としてみれば濃い8年間ではあったけれども、あっという間という感覚も強いでしょうし。

松村:うん。私、8年前と変わりました?(笑)。ちょっと見た目はお姉さんになって変わったかもしれないけど(笑)。

ーー(笑)。考え方がすごくしっかりしてきたなと思いますよ。デビュー間もない頃からインタビューさせてもらっていますが、最初の頃の松村さんはこの世界のこともわからずに飛び込んできて、何をしたいのか、どうなりたいかも明確ではなかったと思うんです。

松村:確かに。正直、あの頃はAKB48さんのこともそこまで詳しいわけでもなかったし、そもそも三次元のアイドルに興味がないなかで入ったわけですから。

ーーそこを踏まえてこの2、3年の松村さんを見ていると、本当にすごいアイドルになったなと思うわけですよ。

松村:うれしい! ありがとうございまっちゅん!(笑)。

4期生には背中を見せなくちゃいけない

ーー松村さんはすでに乃木坂46を引っ張る大きな存在だと思いますし、立場的にも4期生に対して直接何かをしてあげるというのではなく、背中で見せていくポジションなのかなと。

松村:それはすごく思ったことがあって。例えば、乃木坂ってすごく仲がいいって今まで言ってきたじゃないですか。でも3期生や、特に4期生の子たちに対してはもはや仲良くなるとかそういう次元の話じゃないんだなって。もちろん普通にお話できるくらいには仲良くなりたいけど、4期生の矢久保(美緒)ちゃんみたいに私の大ファンだった子が入ってきたことで、少しずつ変化していくんだろうなと感じたんです。それまで内側にいる私たちはグループや環境が変化していないと思っていて、よくインタビューで「乃木坂の人気が高まってきていますが、どう思いますか?」と聞かれても、みんな「いや、いつもどおりやっているだけなんです」みたいな受け答えだったと思うんです。

ーー確かに、皆さんよくそうおっしゃっていましたよね。

松村:でも、最近はそういう後輩が増えたことで、ついに内側から変化するときなんじゃないかと強く思ったんです。

ーーとなると、今はその変化の過程であって、その中で先輩たちが後輩に何を伝えられるかという大事なタイミングなのかもしれませんね。

松村:えへへへ(笑)。私にそんなこと、できますかね?(笑)。えーっ、できなーい!(笑)。

ーー何を言っているんですか(笑)。そこに対して意識的になることはありますか?

松村:意識しますね。2期生はもちろん、3期生もギリギリ「一緒に頑張ろう」という気持ちが強いんですけど、それこそ4期生には背中を見せなくちゃいけないなというのは感じていて。こないだも全国握手会のミニライブで先輩メンバーがパフォーマンスしているのを、出番のない4期生のみんなが裏でまばたきもしないってぐらいモニターに食いついて観ていたんです。その姿を観て、この子たちは先輩のこういうところから学んでいくんだなっていうのをめっちゃ目の当たりにした気がして、改めて裏でも気が抜けないなと思いました(笑)。

ーー常に見られているわけですからね。

松村:そうなんです。今はファンの方に見られるよりも、4期生の子たちに見られるほうがちょっと緊張します。

ーー先日4期生の子たちに話を聞いたときも、京セラドームのとき(※2月21〜24日に開催された『乃木坂46 7th YEAR BIRTHDAY LIVE』)に出番が少ないぶん、ずっとモニターで先輩たちのパフォーマンスを、ファンの頃とは違う視点で見られたと言っていましたし。

松村:絶対に何かを得よう! としている感じがすごかったですし。そう考えると、本当に頼もしい後輩だなって思います。

アルバムを聴くと「乃木坂は続いていくんだな」って思う

ーーその4期生も、新曲「キスの手裏剣」でこのアルバムから初参加しています。

松村:これが初めての楽曲ですものね。私、この曲を聴いたときに「本当にその期ごとの色があるんだ!」ってすごい感動しちゃって。それは秋元(康)さんがそうしようと思って作ったものなのか、本当にたまたま集まった子たちがそうさせているのか、私には全然わからないんですけど。3期生の最初の歌、「三番目の風」(※2017年3月発売の17thシングル『インフルエンサー』カップリング曲)ってザ・アイドルというか、元気に盛り上げていくみたいな空気だったけど、この「キスの手裏剣」はそれとも違っていて、すごく可愛らしいけどちょっとほっこりするんですよね。私、4期生の子たちにそういう空気を感じているんです。3期生はもうちょっとキャピキャピな感じが最初からあったけど、4期生の子たちはもうちょっと温泉みたいな感じというか。

ーー温泉ですか(笑)。

松村:そう(笑)。1人ひとりはキャピキャピなのかもしれないけど、集まったときの雰囲気は温泉みたいであったかい感じがしていて、それがこの楽曲にもすごく出ている気がしたんです。今の4期生って、3期生が「三番目の風」を発表した頃と同じ年代だと思うけど、そうやって初めての楽曲でもこんなにそれぞれの色が出せているんだと思うとすごいなと感じたし。あと、4期生の子たちってまっすぐ声を出していて、すごい伝える力がある歌声をしていると思ったんですよ。それをこの曲の中にも感じて、みんなそれぞれにいい声を持っているなと思ったし、乃木坂の未来が詰まっているこのアルバムの中でもそこにさらに希望を感じました。

ーー特に今回のアルバムは既発曲を含めて3期生が歌う楽曲が多いですし、歌声のせいもあってかそれ以前のアルバムともまた雰囲気が違うんですよね。なのに、「乃木坂46っぽさ」がしっかり維持されている。

松村:うん、そうなんですよね。そこは本当に不思議です。だからこのアルバムを聴くと「この先も乃木坂は続いていくんだな」って思う。卒業していく子たちがよく「ずっと続いていってほしい」と言ってくれるけど、その確信が持てた気がします。

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