乃木坂46 松村沙友理が語る、8年経って気付いた仕事に対する貪欲さ「私って本当に欲深いんです」

乃木坂46松村沙友理、仕事への貪欲さ

「ぐるぐるカーテン」の子たちがそのまま大人になった

ーーご自身が参加した新曲「ありがちな恋愛」はいかがですか?

松村:いい曲ですよね。でも、レコーディングで最初に歌詞を読んだときはすごくびっくりしました。

ーーそれは歌詞の内容に?

松村:そうです。それこそメンバーみんなでこの歌詞について「それぞれどう思っているんだろう?」って、めっちゃ語り合ったんですよ。だって、ちょっと怖い内容じゃないですか?(笑)。秋元さんってそういう表現がすごく上手な方だけど、この歌もまたいい怖さ加減というか、そのまままっすぐ受け取れないところがあるんです。「ありがちな恋愛」っていうもの大体、人によって違うと思うし、きっと「俺の中の恋愛の基本はこうだ」みたいな考えもあるだろうから、聴いた人同士で一晩語り合える作品なんじゃないかなって私は思います。

ーーなるほど。これをまた、杉山勝彦さんが作曲した綺麗なメロディに乗せて歌うことで、歌詞の重みや伝わり方も変わってきますし。

松村:そうなんですよ。

ーーと同時に、乃木坂46ってデビュー8年目でこういう歌詞を歌えるグループになったんだなとも思いました。ちょうどバースデーライブの直後ですし、7年前に「ぐるぐるカーテン」を歌っていたグループが今は「ありがちな恋愛」みたいな曲も歌えると。

松村:それだけ大人になったということですもんね。でも、私の中には「ぐるぐるカーテン」の子たちがそのまま大人になったという感覚もあって。例えば、欅ちゃん(欅坂46)の場合は内に秘めているものを外に出せる人の歌詞じゃないですか。だけど、乃木坂の歌詞っていつまでたってもみんな内向きなんですよ(笑)。いつまで経っても孤独だし、いつまで経っても「本当は言いたいのに言えない」みたいに思いを伝えられなくて、自分の内側に潜めちゃう歌詞が多いなと思っていて。それが昔は友達に対してだったけど、今はちょっと大人な恋愛の中でもまだ人に言えない内に秘めた心を持っている。「ぐるぐるカーテン」の女の子たちが大人になったらこういう歌詞を歌うんだろうなという、そのまんまの歌だなと私は思います。

ーーもし“乃木坂ちゃん”みたいなキャラクターが存在するとしたら、7年の積み重ねで大人にはなっているんだけど、軸にある性格みたいなものは変わっていないということなんでしょうか。

松村:やっぱり人間、いろいろ環境は変わっても、そんな簡単には性格は変わらないんだなって思いました。

ーー受け取り方によっては、そこが奥ゆかしさにも感じられるわけで。それが俗に言う“乃木坂らしさ”のひとつでもあるのかなと。それが歌詞にもこういう形で表れているのかもしれませんね。

松村:そうですね。でも、秋元さんもそれを感じてくれていて、こう書いてくれているんですかね?

ーーどこまでそういうことを意識して作詞しているのか、いつか聞いてみたいですよね。例えば乃木坂46、欅坂46、日向坂46とそれぞれに歌詞の主人公がいるわけで、そこを意識的に書き分けているのかとか。

松村:あるんですかね? めっちゃ聞いてみたい。となると、坂道シリーズで一番素直そうなのは日向ちゃん(日向坂46)なのかな(笑)。乃木坂ちゃんはちょっと内に秘めちゃって、欅ちゃんはまっすぐで強い子という。

ーー長女、次女、末っ子じゃないですけど、そういう3姉妹感があるのかな。

松村:うん、ありそうですよね。

皆さん「エモい」って言うんですよ

ーー一方で、さゆりんご軍団の新曲「さゆりんご募集中」では、曲名にご自身のニックネームが入っています。

松村:すごいことですよね? 私、歌詞が届いたときに「さゆりんご募集中」と書いてあるのを見て、最初はこれがタイトルなのかどうか信じられなくて、いろんなスタッフさんに「タイトルはどれですか?」って聞いて回りましたから(笑)。

ーー仮タイトルっぽく感じられますものね。オリジナル楽曲としては「白米様」(2016年7月発売の15thシングル『裸足でSummer』カップリング曲)に続いて2曲目になります。

松村:「白米様」からそんなに時間が経っていたとは私も思っていなくて、すっごい間が空いたんだなって京セラのときに気づきました。

ーーいつもライブで流れている映像(※乃木坂46の楽曲をさゆりんご軍団らしい歌詞に置き換えた替え歌映像を、ライブの開場時間中に上映)を観ているから、もっと持ち曲があると錯覚していたのかもしれませんね。

松村:それをやっているから私たちも同じ感覚だったし、スタッフさんからも「あれ、さゆりんご軍団ってもっと曲なかったっけ?」と言われましたから(笑)。すごく明るい曲だし、コールとかも入っていて盛り上がりそうと思っていたんですけど、この曲が解禁されたあとのファンの皆さんの反応が意外で。(伊藤)かりんちゃんが卒業しちゃうというのもあるのかもしれないけど、皆さん「エモい」って言うんですよ。歌詞も呑気だし、私的には軽い感じだなと思っていたけど、ファンの方はそこからまた先を感じてくれていて、それは素直にうれしかったですね。

ーーそのファンの方たちの気持ち、わからないでもないですよ。これを松村沙友理という人が歌っているということに、グッとくるものがあるんじゃないでしょうか。

松村:本当ですか? 歌詞でも〈踊りましょう〉と言っているし、私はライブで披露したときに一緒に踊れたらいいなってぐらいの気持ちで、楽しいことばかり考えていたので、その反応が意外で。でも、そう感じてくれているんだったらうれしいなあ。私的には、さゆりんごという名前をタイトルに入れていただいたことで、この曲がのちのち乃木坂に残っていくこともうれしいですけど、せっかくだから名前の部分をいろんなメンバーの名前に変えて歌ってほしいんですよ。歌いたい子なら誰でも、いつでも使ってほしい(笑)。「白米様」もメンバーの中で人気があって、メンバーがプロデュースしたライブ(※『真夏の全国ツアー2018』で披露されたジコチュープロデュース企画。本アルバム初回仕様限定盤Type-AおよびType-Bの特典Blu-rayに同映像を収録)でもやってもらえて、それがすごくうれしかったから、この「さゆりんご募集中」もまたメンバーに人気が出たらいいなって期待しています。

ーーこの先、松村さんが卒業したあとも残ったメンバーに歌い継いでほしいと。

松村:そう。それで、歌いたい子の名前でやってほしいんですよ。例えば、スイカ(※伊藤かりん、伊藤純奈、斉藤優里、卒業生の川後陽菜と西野七瀬で構成)みたいに仲良しのグループがあったら、その子たちで「スイカ募集中」みたいに(笑)。

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