乃木坂46 堀未央奈に集まる次期エースとしての期待 グループでの立ち位置から考察
最近、『ホットギミック』の公開に伴い、堀のメディア露出は徐々に増えている。表紙を飾っている雑誌『blt graph. vol.42』は一つに代表されるものだが、そのインタビューの中で印象的な一文があった。
「『そのままでいいんだよっていう言葉がほしかった』みたいなセリフとか。アイドルという職業をしていて、何が正解かなんて分からないから、ファンの人とか身内の人とかいろんな声を聞いているうちに自分が分からなくなったり、自分がやっていきたいことと人に求められることが違ったりした時に、私もほしかった言葉でした」
監督・脚本を務める山戸結希が堀に寄り添い書き下ろしたセリフは、10代の頃に葛藤していた等身大の堀を彷彿とさせるものだ。公開されているティザー映像の中にいるのは、女優として生きる堀だが、一人の堀未央奈が再び青春を取り戻しにいくような、そんな意味合いも含まれているような気がしてならない。
堀の『ホットギミック』と被るのは、昨年、齋藤飛鳥が映画初出演にしてヒロイン役に抜擢された『あの頃、君を追いかけた』の存在。公開前に発売された21stシングル『ジコチューで行こう!』で齋藤は再び単独センターに立ち、ドーム・スタジアムツアーの先頭を切った。西野七瀬がグループを卒業し、現在、乃木坂46は白石麻衣、齋藤飛鳥の2大センターという印象が強い。齋藤も堀と同じ不遇の時期を乗り越え、現在の立ち位置へと上り詰めた人物だが、次は堀がその位置を担う番なのではないだろうか。
「必ずいつかまたセンターに立ってみたい。あの時の悔しさが、私の活動にはすごく影響しているなって思うんです」(『B.L.T. 2019年5月号』より)
堀にとって、ターニングポイントとなる夏がやって来る。
■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter