Sexy Zone『PAGES』は様々な表情を感じ取れる作品に 楽曲ごとのコンセプトから紐解く
男性アイドルグループ・Sexy Zoneが、6枚目のアルバム『PAGES』を発売した。今作は“人生の1ページ”をコンセプトに生きていく中での様々な感情や景色を切り取った楽曲を全16曲収録したという。まさに彼らの様々な一面を堪能できるような、1曲1曲に異なったカラーが施された作品群が並んでいる。
まず、1曲目の「La Sexy Woman」はファンクなリズムを取り入れたアイドル歌謡。彼らのスタイルに直球で勝負したサウンドと〈ため息が出るほど 君の全てがほしい〉といった情熱的な歌詞が印象的だ。2曲目「恋がはじまるよーー!!!」では、歪んだギターが前面に押し出されたファンクロック調の力強いサウンドによってアルバムのテンションを底上げする。3曲目の「すっぴんKISS」でもギターのカッティングがリズミカルに鳴らされる。一貫してファンクなリズムを土台としたサウンドを見せながらも楽曲のカラーは三者三様。近年のジャニーズでファンクと言えば真っ先に思いつくのが嵐の存在だが、嵐流のファンクネスは夜のイメージやパーティー感へと繋がっているのに対し、Sexy Zoneのファンクネスは彼らの“情熱的”な魅力を引き出している。彼らの真っ直ぐで無邪気なイメージと相まって、グループの放つ圧倒的な“ザ・アイドル”感へと繋げている。デビュー時はまだまだあどけなかった彼らも活動を重ねていくうちに変化し、作品にも少しずつ大人なムードが現れているが、こうした情熱的な楽曲を見事に歌いこなす彼らのパフォーマンス力や、4曲目「CRY」での見事な歌唱力を聴けば、彼らの成長を実感できるであろう。
そんな彼らのさらなる新しい一面を確認できるのが5曲目の「make me bright」だ。この曲は女性シンガーソングライター・iriが作詞作曲を手掛けているが、押しも押されもせぬアイドルグループである彼らが、ふとした瞬間に見せる弱い一面に焦点を当てた、明るい表情の裏に潜む“暗い部分”を照らし出すような佳曲だ。レイドバックしたリズムに〈いっそ 暗い迂回 問題はない〉〈本当の想いはまだ 明らかにはできないや〉といったリリックが並び、華やかな世界に暮らす彼らのリアルをじんわりと映し出すような雰囲気がある。アイドルとしての表面的なイメージに、それだけではない“深み”を与える一曲と言えるだろう。