sumikaの全国を巡る旅は日本武道館から始まったーー『Chime』ツアー初日公演レポート

sumika、日本武道館公演レポート

 sumikaが3月14日に日本武道館にて、バンド史上最大規模となる全国ツアー『sumika「Chime」Release Tour』を開幕させた。

sumika

 先日リリースされた2ndアルバム『Chime』を携えて行なわれている今回のツアー。『Familia』以来、1年8カ月ぶりとなる待望のニューアルバムは、誰が聴いてもバンドの今の状態が突き抜けて絶好調であることが伝わってくる快盤だ。アプローチがそれぞれ違うバラエティに富んだ楽曲群の中で、どこを切り取っても「sumikaらしい」と思える理由を一言で表すのは難しいが、「親しみやすさ」や「安心感」という言葉が一番しっくりくる。だからsumikaの音楽は押し付けがましい要素なんてこれっぽっちもないのに、いつの間にか生活の中にすっと溶け込んで、気が付くと日常の一コマや大切なシーンで流れるテーマソングになっている。

小川 貴之
黒田 隼之介
荒井 智之
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小川 貴之
黒田 隼之介
荒井 智之
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 実際に今作から一気にタイアップ曲も増え、片岡健太(Vo/Gt)が『めざましテレビ』のマンスリーエンタメプレゼンターを担当するなどメディア露出も多くなってきた現在、sumikaはもはや音楽好きだけに認知されているだけでなく、もっともっと広いところまで浸透しつつある存在だ。しかし、どんなにバンドの規模が大きくなり続けてもsumikaの音楽に、そしてリスナーに対する姿勢が変わっていくことはない。これからもずっと対大勢ではなく、丁寧にひとりひとりに向けて音楽を届けてくれる。ツアー初日の武道館公演を観て、そんな嬉しい確信がふつふつと湧き上がってきた。

 豪華絢爛というよりは、まさに「おかえり」「ただいま」と言葉を交わしたくなる温かい雰囲気のステージセット。そこにメンバーが登場すると大歓声に包まれ、1曲目から割れんばかりのハンドクラップが響き渡った。武道館という大きなステージでも広がりすぎることなく、中央に集まって限りなく生音に近い楽器の音を鳴らす。そんなsumikaの佇まいは、メンバー同士の結束力の強さやバンドへの愛情が表れているようでもある。ライブ序盤からメンバーもオーディエンスも100%の笑顔を見せ、大勢の手が一斉に挙がる絶景は照明以上にキラキラと眩い光を放っていた。

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