関ジャニ∞ 村上信五、“イジられMC”として大活躍 中居正広、櫻井翔との違いは?
一方、櫻井は、多くのジャニーズJr.と共に出演していた『8時だJ』(テレビ朝日系)での経験がベースになっているように感じる。MCのヒロミが、自分のキャラクターを見つけてくれて、トークで当ててくれるようになったことを、今でも「感謝している」と明かしていた櫻井。そうした思い出があるからか、櫻井のMCスタイルは嵐のメンバーやゲストを自由に動かしていく。自分はあくまで真面目に進行をしているにも関わらず、気づけば仲間たちの予測不能な行動に翻弄されていく。そんな櫻井が面白く、自らがトークのオチになって盛り上げることも。
中居のガキ大将MCと、櫻井の学級委員長MCが、ジャニーズの2大MCスタイルだとすれば、村上は“イジられMC”と言えそうだ。どうも村上信五という人は、周りがイジらずにはいられない魅力を放っている。関ジャニ∞のメンバーからは「コーヒーをカバンに注ぎ込んだ」や「ガラスのドアによくぶつかる」など天然エピソードが暴露されるものの、「台本を見ようと思ってコーヒーのことを忘れてしまっただけ」「天然じゃなくてミス」と、天然キャラを認めようとしない。アイドルであれば、そんな天然キャラがひとつのアピールポイントになるはずなのに「天然ってアホみたいやんか」と、あくまで独自の美学で反論していくのだ。その眼差しのまっすぐさに、また周囲がツッコまずにはいられないのだ。
また、『SONGS OF TOKYO』のレギュラー化発表会見では、過去2回放送の手応えに関して質問されると「手応えを一番に感じたのは僕の関西弁をよく許してくださったなと。今どきの時代に関西弁でも世界に発信していただけるんだというのは非常に心強かったですし、間違った手応えは感じてしまいました(笑)」と、またもや独特なコメントを披露。だが、これも彼にとっては天然ではないのだろう。言っていることは間違っていないけれど、どこか「そこ!?」と引っかかってしまい、ほっておくことができないのだ。
『月曜から夜ふかし』が、これほどの人気番組に成長したのも、マツコ・デラックスというベストなイジり役と組むことができたからだろう。マツコ・デラックスは視聴者のツッコミポイントを、気持ちよく代弁してくれる。その勢いに乗って、番組全体も村上を愛を持ってイジっていく。バキバキにカッコつけて披露した村上を「TAKATSU KING(タカツキング)」とイジりまくり、愛されキャラクターに昇華したのも、マツコとこの番組だった。
以前、『27時間テレビ』(フジテレビ系)で共演したビートたけしは、村上を歴史上の人物に例えると「(3代将軍)徳川家光」だと言った。そして「ビシッと江戸幕府の体制を作ってしまったという。ヘタするとジャニーズ事務所の大看板になるよ」とも。そう考えるとマツコ・デラックスは、“村上家光”に対する、乳母の春日局にも見えてくる。「お前が目指すのはそっちじゃない!」と一蹴する姿も、かわいい村上が大成するように奔走するマツコ局といったところ。まずは、村上が目標としている『NHK紅白歌合戦』の司会を成し遂げる日を心待ちにしながら、土曜の夜はマツコに指導される村上を存分に楽しみたい。
(文=佐藤結衣)