SEKAI NO OWARI、最新作『Lip』『Eye』チャートイン 相次ぐ2枚組アルバムリリースを考える

 話変わって3月7日のこと、サカナクションが6年ぶりとなるオリジナルアルバム『834.194』を4月24日にリリースする旨を発表した。SEKAI NO OWARIと同じく、というか彼らを凌ぐブランクを経てのアルバムで、2枚組の大ボリュームになることも共通している。4月にリリースを控えたAimerの約2年半ぶりとなるオリジナルアルバムも『Sun Dance』と『Penny Rain』の2枚にわかれることがすでに発表されている。

 ミュージシャンのクリエイティビティが1枚のアルバムという単位に収まらない、ということは歓迎すべきことだ。一方で、CDというパッケージのあり方や、そこに由来するアルバムにまつわる固定概念が、ミュージシャンのやりたいことと齟齬をきたしつつあるしるしのようにも感じられる。ASIAN KUNG-FU GENERATIONが2018年作『ホームタウン』でとった「フルアルバム+EP」という変則的なリリース形態も、ユニークな試みである一方、CDの融通のきかなさへの抵抗のようでもあった。

 SEKAI NO OWARIのリリースからはじまり、リスナーの利便性、幅広いリーチ、ミュージシャンのクリエイティビティに対する影響など、サブスクリプションサービスにまつわる考えごとは相変わらず止まらない。

■imdkm
ブロガー。1989年生まれ。山形の片隅で音楽について調べたり考えたりするのを趣味とする。
ブログ「ただの風邪。」

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