荻原梓のチャート一刀両断!
NMB48、山本彩卒業後初シングルで首位 「床の間正座娘」と「絶滅黒髪少女」に通ずる主人公像
参考:2019年3月4日付・週間シングルランキング(2019年2月18日~2019年2月24日/ORICON NEWS)
最新のオリコンチャートによれば、今週の週間CDシングルランキングはNMB48の『床の間正座娘』が196,592枚を売り上げ1位をマーク。続いて九星隊の『By your side』が32,377枚を売り上げ2位、Roselia『Safe and Sound』が30,987枚を売り上げて3位という結果になった。NMB48はこれで通算18作目の1位獲得である。
「床の間正座娘」は20枚目のシングル曲で、作詞を秋元康、作曲を池澤聡、編曲をAPAZZIがそれぞれ担当している。池澤聡はこれまでにHKT48「必然的恋人」、SKE48「はにかみロリーポップ」「S子と嘘発見器」「夏よ、急げ!」、欅坂46「太陽は見上げる人を選ばない」「自分の棺」、けやき坂46「ハッピーオーラ」など秋元康プロデュースの系列グループに多く曲を提供している。また、過去には寿美菜子「Brand New World」、篠崎愛「Cupid」といったソロ歌手にも曲を提供してきた。しかし、どれも歌い手にとって代表曲と呼べるような楽曲には至っていない印象で、今作の表題曲起用が彼にとっては大きなターニングポイントとなりそうだ。NMB48にとってはグループの絶対的エースだった山本彩が卒業後初となるシングルリリースであり、“新体制・NMB48”のカラーを決定付けるタイミングでもある。つまり、歌い手にとっても、作り手にとっても、大きな意味を持った一作である。
まず最初に目を引くのがこのタイトルだ。「床の間正座娘」という一見何のことだかわからない、けれども気になるタイトリングは、NMB48がこれまでに「北川謙二」「カモネギックス」「ドリアン少年」といったパンチの効いた曲名を冠してきた伝統を引き継ぐセンスでもあり、あるいは「絶滅黒髪少女」「イビサガール」「甘噛み姫」といった“女性タイトル曲”の系譜の最新形でもある。また、音に耳を傾ければ「ウッ!ハッ!」という合いの手が入ったり、軽快なパーカッションやブラスセクションが施されたダンスナンバーに仕上がっており、「ワロタピーポー」を彷彿とさせるNMB48らしい盛り上げソングになっている。このように今回の作風はグループイメージを刷新するというよりは、グループの“らしさ”を受け継ぐリリースとなっている。