みやかわくん、カバー動画がヒットした理由とは? 類い稀なセルフプロデュース力に迫る

 メジャーデビューミニ『STAR LAND』(2018年6月)以降は、作詞作曲へも参加してきた彼だが、新曲「略奪」では、ぼくのりりっくのぼうよみに楽曲提供を受けた。「スターランド」や「イダテンドリーマー」で見せたエレクトロサウンドを駆使した青春ポップス路線から一転、ホーンを取り入れたジャジーな曲調で、これまでのみやかわくんのイメージとは一線を画す仕上がりとなっている。事実、MVもエロスとサスペンスをテーマにしたといい、アダルトなパフォーマンスを披露。アーティストしての新境地と言うべきか、はたまた無数にある引き出しのひとつを開けたにすぎないのか。変幻自在な見せ方を習得してきた彼だけに、底知れなささえ感じる。

 4月から5月にかけて待望の全国ツアー『みやかわくん Live Tour 2019「アンボレア」』を開催。さらに7月19日には日本武道館での単独公演も決定し、ますます勢いに乗る。デビュー時のインタビューでは、「別にYouTuberがアーティストだっていいし、アーティストがYouTuberだっていいじゃないですか。だから、僕はこれからも純粋に“自分”っていうジャンルを追求していきたいです」(参照)と語っていたみやかわくん。アーティストという肩書きにとらわれないマルチな活躍は、そのまま彼にしかできない、彼の目指すエンターテイナーの姿とも重なる。果たしてこれからどのような展開で楽しませてくれるのか。次世代を担う才能の行く末に注目だ。

■渡部あきこ
編集者/フリーライター。映画、アニメ、漫画、ゲーム、音楽などカルチャー全般から旅、日本酒、伝統文化まで幅広く執筆。福島県在住。

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