JAM Project、全56曲を完走した圧巻の一夜 『JAM Project Special live 2019 A-ROCK』
2020年はもっとデカいところで!
後半戦はTVドラマ『牙狼<GARO>』のオープニングテーマ「牙狼 〜SAVIOR IN THE DARK〜」からスタート。ゴシックで壮大なサウンドに、力強く熱量のある歌声を聴かせる5人。独特のダークな世界感に、ファンは耳を傾けて酔いしれた。また『スパロボEDメドレー』と題したコーナーでは、『スーパーロボット大戦』のエンディングテーマを一気に披露した。ミディアムバラードの「Portal」では、美しく儚い世界感を聴かせる。ライブ前半戦の熱さから一転、想いを伝えるような雰囲気。また、希望に満ちた力強さを表現した「FOEVER & EVER」では、エモーショナルなボーカルと緻密なハーモニーが、楽曲の世界感をよりいっそう壮大なものへと引き立てる。観客が拳を突き立てて合唱し、まるで映画を1本観たような感動が押し寄せた。
再びDJ KGのDJプレイを挟んで、終盤戦は「ハリケーンLOVE」でスタート。残り曲数も少なくなり、「死ぬほど盛り上がるぞ!」と影山。観客はタオルを回して盛り上がり、あまりの熱気で外が真冬であることを忘れるほど、会場は熱く盛り上がる。そして最後は、JAMのライブの鉄板「レスキューファイアー」を披露。会場が一体となって、〈MOTTO MOTTO〉と声を上げ、最後には〈爆鎮完了!〉というかけ声と共に全員で敬礼。燃え上がったファンのハートを、全力の歌声で昇天させた。
「昔の曲を歌って、あの頃の気持ちにタイムスリップしました。当時のにおいを感じながら歌いました」と、『Early numbers』ならではの選曲に胸を熱くした様子の遠藤。「最高の2019年の幕開けを飾れました」と、達成感をにじませたきただに。2003年にJAM Projectに加入した奧井は「今さらだけど、結成当時からいるような気持ちになれました。続けることは大変だけど、そのぶん素晴らしいことだと実感しました」と、JAM Projectの歴史を振り返る。奧井と同タイミングで加入した福山は、「昔の写真が後ろに映されたけど、加入当時は今よりもっと痩せてて、俺じゃないと思った」と、ユーモアたっぷり。最後に影山は「どんな世代の人も一緒に歌ったりしてくれて、めっちゃ胸に滲みました。2020年には、どこか間違いなくデカいところでアニバーサリーライブをやります。それに向けて、もっともっと盛り上がるために、みんなのことを頼りにしてるぜ!」と、今後の展開も示してファンを喜ばせてくれた。
アニソンが音楽市場のメインになって久しく、その中心で約20年にわたってシーンを牽引してきたJAM Project。世界の共通語であるアニソンを武器に、世界をまたにかけて活躍するその姿は、アニソンを志すアーティストにとっての希望の光だと言える。アニメあるところにJAMあり。今後もアニメを越え、海を越え、その名を世界にますます轟かせてくれることだろう。この日のライブは、そんな未来に期待が高まるものであった。
(取材・文=榑林史彰)