菅田将暉主演ドラマ『3年A組』主題歌、なぜザ・クロマニヨンズ「生きる」に? “繋がり”を考察

 ただ、ドラマと主題歌を結ぶ架け橋の全貌はまだ明らかになっていない。実際、シリアスな本編とは対照的に、オフショットのフォトブックのようなコミカルなエンディングに、違和感を感じる視聴者も少なくないようだ。しかし回を重ねるにつれ、殺されたと思っていたクラスメイトが生きていたり、柊が病を抱えている様子がうかがわれたりと、予想外のことが明らかになっていっている。ただの猟奇的な人間とは思えない、柊の本当の目的とは何なのか。最後には、このドラマにはこの主題歌「生きる」しかないと、しっくりくる日がくるのかもしれない。最終回までのお楽しみである。

 エンディングではオンエアされていないが、「生きる」にはこんな歌詞もある。

〈いつかどこか わからないけど/なにかを好きになるかもしれない/その時まで 空っぽでもいいよ〉

 『3年A組』には「過去と向き合えない奴に成長はない。空っぽなんだよ!」と柊が生徒に言い放つシーンがある。ドラマを観ながら自分の生き方を顧みた人もいるかもしれない。また、このドラマの視聴者には、好きなものがない、将来何をしていいかわからないと悩む若い世代もいるだろう。そんな人に「生きる」という曲は、まだ空っぽでも良いのだ、と息をつかせてくれる。ぜひフルで聴いてみて欲しい。

■深海アオミ
現役医学生・ライター。文系学部卒。一般企業勤務後、医学部医学科に入学。勉強の傍ら、医学からエンタメまで、幅広く執筆中。音楽・ドラマ・お笑いが日々の癒し。医療で身体を、エンタメで心を癒すお手伝いがしたい。Twitter

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