Jun.K、ウヨン、ジュノ……10周年迎えた2PM、ボーカルメンバーのソロ活動を追う
今年でデビュー10周年を迎えた、2PM。デビュー当時は“野獣アイドル”というキャッチコピーが話題を呼んだが、K-POPファンからの彼らに対するイメージは“筋肉隆々のワイルドなアイドル”ではないだろうか。実際、可愛らしいアイドルというよりは、男っぽさや大人っぽさを彼らはウリにしてきた。それが日本のファンを惹きつけたのは事実だろう。
そんな彼らも活動10年間で、6人のメンバーたちがそれぞれ俳優やアーティストとして成長してきた。特に、ボーカルを担当しているJun.K、ウヨン、ジュノは日本でもソロ活動を精力的に行っており、2PMでは見れない3人の個性が際立った才能を見せている。今回は、2PMのボーカルライン3人の音楽性について考察してみたい。
呼吸をするように音楽を奏でるJun.K
2PMの最年長であるJun.Kは、声量豊かで力強く、伸びやかな声が特徴的なボーカリストだ。グループの中でもひときわ目立つ声を持っている。ソロ活動においても、彼の持ち味であるボーカルスタイルを存分に発揮している。
K-POPの曲は1曲の中にボーカルパートとラップパートが共存し、担当メンバーごとに割り振られることが多いが、Jun.Kの場合はその2つを一人でこなしている。彼はラッパーとしての才能も持ち合わせており、ボーカリストでありながらラップメイキングも非常に上手いのだ。壮大な曲の合間にラップパートが入る「NO LOVE」はJun.K節を存分堪能できる曲の一つだろう。
日本における3枚目のミニアルバム『NO SHADOW』を作る際は「大衆向けではなく、自分のやりたい音楽を作った」という。彼の音楽は、曲、歌詞ともに非常にストレートだ。時には恥ずかしいほどオープンに自分の感情を映し出している。彼が生み出す音楽こそがJun.Kという男の生き様なのかもしれない。
様々な顔を見せるWOOYOUNG(ウヨン)
ウヨンは作品の中で様々な顔を見せてくれる、そんなアーティストだ。それが面白い。2015年にシングル『R.O.S.E』でデビューを果たし、これまでに3枚の作品を発表している。前述したように、ウヨンの作品は多種多様で、まるでおもちゃ箱のようだ。その両極端な例をここで紹介したい。
2016年にリリースした「Party Shots」は、タイトルの通りウヨン式パーティーソングといった曲だ。耳に残るサビが印象的な曲だが、ウヨンの作る曲の特徴は2PMにおいてもソロにおいても、一度聞いたら忘れられないメロディだ。まさにこの部分が彼のウリだろう。気がつくと一緒になって〈Party Shots!〉と腕を上げてしまう。
「Party Shots」ではアゲアゲなパーティーソングを披露してくれたが、3枚目のミニアルバム『まだ僕は…』では、180度ガラッと雰囲気を変えてきた。表題曲「まだ僕は…」は、ウヨンの鼻にかかった甘い歌声が堪能でき、オーガニックな雰囲気溢れる曲に仕上がっている。同じ人物が書いたとは思えないほどだが、このギャップがウヨンの魅力なのだろう。